歴史

防災歳時記4月18日 山本五十六とニミッツ 二人の名提督

 今から71年前、1943年(昭和18年)の今日4月18日、軍神山本五十六連合艦隊司令長官を乗せた一式陸上攻撃機が撃墜され、パプアニューギニアのブーゲンビル島に墜落、山本五十六長官は戦死した。

 

 日本側の打電した暗号を解読した米軍による「暗殺計画」だった。

 

 山本長官殺害の数日前、この解読された暗号電報は米太平洋艦隊司令長官チェスター・ニミッツに報告された。

 

 そこで後世に名を残す(ニミッツ提督の名前は原子力空母「ニミッツ」として、まさに名を残している)名将ニミッツが考えたことは…。

 

 

「もし山本五十六長官を暗殺して、その結果もっと優秀な指揮官が後任に着くことになるなら、殺害はわが軍にとって得にならない」

 

 

「ヤマモトより優秀な指揮官は日本海軍にいるか?」

 

 

 ニミッツは米本国へ問い合せた。

 

 ニミッツからの問い合せを受けた米国防総省を始め戦略事務局(CIAの前身)は、情報を分析・整理し、ニミッツにこう回答した。

 

 

「ヤマモトより優秀な指揮官はヤマグチ(山口多聞)だが、彼はミッドウェー海戦ですでに戦死している」

 そう、山本長官暗殺からさかのぼること1年前、南雲忠一中将率いる日本海軍機動部隊は北部太平洋のミッドウェー島沖で、壊滅的な敗北を喫している。

 

 主たる敗戦の原因は、大本営が立案した作戦の意図を正確に理解していなかったことと、米航空機による急降下爆撃という新しい戦術に対する無理解によるものだった。

 

 そしてその両方ともをよく理解していた山口多聞少将は、海戦前には作戦の中止を、海戦中には作戦変更を南雲中将に具申するがいずれも無視される。

 

 しかし極めて不利な戦況の中、敵主力空母「ヨークタウン」を大破させるという戦果をあげる。

 

 そして最後は万策尽き、攻撃能力を失った自身が乗る空母「飛竜」を味方の駆逐艦の魚雷で撃沈するよう命令して、戦死していた。

 

 

 ここからが大事なところ。

 

 ニミッツは「戦力」を頭数で数えていはいなかった。

 

 「優秀な奴は千人力」と思っていたからこそ、山本長官暗殺を躊躇した。

 

  米軍は、常に優秀な指揮官ほど戦死させないよう心がけている。

 

 一方、武士道精神からか、日本軍は優秀な指揮官ほど最前線で散っていった。

 

 歴史に「もし」はないとは言え、ミッドウェーで南雲中将の代わりに山口少将が戦死していなかったら、山本長官が殺害されることはなかっただろう。

 

 この国には、こうした先の大戦の教訓が生かされ、優秀な人間を大切にする風土が本当に育ってきているだろうか?

 

 大戦後生まれの日本人(第一次ベビーブーム以降=団塊の世代以降)の質が悪いのは、太平洋戦争で優秀な三分の一が失われ、われわれがダメな残り三分の二の子孫だからという説もあるようだが…。

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