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抗生物質が効かない時代が到来 WHOが警鐘

 20世紀最大の発見の一つ「抗生物質」。

 

 フレミングが青カビからペニシリンを発見して以来85年、世界保健機関(WHO)は「ついに抗生物質が効かない時代が到来した」と全世界に警鐘を鳴らすレポートを発表した。

 

 「抗生物質が効かない」とは、この85年間の抗生物質の乱用の結果、世界各地に抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」が拡大しているということ。

 

 同レポートでは、敗血症、下痢疾患、肺炎、尿管感染症、淋病など代表的な7つの感染症にフォーカスして「薬剤耐性菌」の現状を説明。

 

 例えば、「カルバペネム耐性腸内細菌」。「最後の切り札」とも言われている最新の「カルバペネム系抗生物質」の耐性菌により、ICU(集中治療室)などで肺炎、敗血症などの院内感染が引き起こされており、いくつかの国では、患者の半分に「カルバペネム系抗生物質が効かない」という状況に立ち至っている。

 

 また日本を始め、オーストラリア、フランス、カナダ、英国などでは、淋病の特効薬とされている「第3世代セフェム系抗生物質」が効かないという状況が起きており、全世界で毎日100万人が淋病に感染しているという。

 

 同レポートが特に警鐘を鳴らしているのは、「最後の切り札」と呼ばれている最新の抗生物質に対し、軒並み「薬剤耐性菌」が増えている現状で、このままでいくと人類は「20世紀最大の発見」の果実を失うかもしれない。

 

 WHOでは、こうした現状を打破するために、例えば、一般の人に対しては、抗生物質は医師の処方箋のもとでのみ使用すること、症状が軽くなったからといって服用を勝手にやめないこと、処方箋なしに他人と抗生物質をシェアしたりしないこと、などを呼びかけている。

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