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PM2.5が衛星観測を妨害 大気汚染ガスを3〜5割過小評価

   大気中を漂う微小粒子PM2.5などエアロゾルに邪魔され、人工衛星による大気汚染ガス濃度の観測が3〜5割ほど過小評価されていた可能性の高いことが、海洋研究開発機構(JAMSTEC)など国際研究チームの調査でわかった。


   研究チームは大気汚染の度合いが強い日本や中国、韓国、ロシアの都市部と、空気のきれいな長崎県や沖縄県など国内外7ヶ所に観測機器を設置。工場や自動車から排出される汚染ガス「二酸化窒素(NO2)」の濃度を2007年から2012年末まで計測し、米航空宇宙局(NASA)の衛星観測データと比較した。


   その結果、衛星のデータは地上での観測値より3〜5割低かった。特に、大気中のエアロゾル量が多かったり、NO2が地表付近に偏って分布したりしている場合、衛星と地上のデータの差は大きかったという。


   衛星は、地表で反射した太陽光を利用してNO2濃度を観測しており、PM2.5などが多いと太陽光が地表まで届かず、地表付近のNO2を見落としてしまうとみられる。


   研究チームは「従来のNO2発生量の見積もりを上方修正する必要がある」と指摘。今後、NO2以外の大気汚染ガスの衛星観測にも過小評価がなかったか検証を進めていくとしている。


   なお、論文は11日、欧州地球科学連合の専門誌「Atmospheric Chemistry and Physics」に掲載された。