医療技術

ヒトやマウスの学習能力の発達に影響するタンパク質を発見 

 ヒトの脳神経細胞のなかで、「α(アルファ)キメリン」という特定のタンパク質が記憶力や学習能力の発達に関わっていることを、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の岩里琢治教授と岩田亮平研究員らのグループが突き止め、21日(日本時間22日)付けのアメリカの科学雑誌「Cell」の電子版に発表した。研究グループでは、ヒトの学習障害や自閉症との関連の検証、メカニズムの解明に役立つと期待している。

 

 研究グループでは、脳神経細胞の発達に関わることで知られる「αキメリン」というタンパク質に注目し、αキメリンが脳の中で働かないように、さまざまなパターンを作製したマウスを使って、学習能力や活動量、歩行パターンなどを観察したところ、αキメリンの働きを抑えたマウスは、正常なマウスに比べて約1.5倍学習能力が優れていることが明らかになった。

 

 αキメリンはさらに、α1型とα2型の2つに分けられ、正常なマウスにおいては生後2~3週間ごろまでの成長期にはα2型が強く、大人ではα1型が強く現れることから、成長期におけるα2型の働きが大人になってからの学習能力を左右していることも示された。

 

 研究グループではヒトについても、αキメリン遺伝子のタイプと人格や能力との関連性を調べたところ、遺伝子の構成が特定のパターンの人では、計算能力が高く、自閉症的な傾向がみられることも報告された。

 

 岩里教授と岩田研究員は「研究をさらに進めることで、自閉症など発達障害のメカニズムの解明や謙譲な子供の脳の発達への理解が進むことを期待しています」と話している。

 

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