トピック

カナダ首相問題発言「先住民族の殺害は犯罪で社会学的現象ではない」

 先住民族を狙った誘拐や殺人事件が相次ぐカナダで、スティーブン・ハーパー首相が15歳の先住民族の少女が殺された事件を「犯罪の一つ」と発言し、州政府や野党から「先住民族のおかれた危険な状況を理解していない」と批判される事態になっている。

 

 複数の地元メディアによると、この事件は今月(8月)初め、マニトバ州の里親の家から失踪した15歳の先住民族の少女の死体が見つかったもので、警察では殺人事件として調査している。地元の複数のメディアが伝えたところによると、ハーパー首相は「恐ろしい事件だが、我々はこれを(先住民族への人種差別といった)社会学的な現象としてとらえるのではなく、犯罪の一つとして解決は警察に任せるべきだ」と述べた。

 

 これに対し、カナダ国内では、複数の州政府や先住民族議会のリーダーたちが抗議の声をあげ、そのうち野党である自由党のジャスティン・トルドー氏は「首相は現実を見ていない。カナダの人口の4.3パーセントを先住民族の女性が占めるうえ、女性が巻き込まれる犯罪のうち、先住民族が誘拐されたり、殺されたりするケースは1割以上だというのに」と首相の発言を批判した。

 

 カナダの憲法では、北米インディアンやイヌイットなど3グループの先住民族が認められていて、ハーパー首相は2008年6月、先住民族に対して国が強制してきた過去の同化政策について公式に謝罪している。

 あなたにオススメの記事