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北海道のヒグマは意外とサケを食べないってホント?!

 サケをくわえた木彫りの熊といえば、かつて北海道土産の定番だったが、意外にも知床のヒグマにとって栄養源に占めるサケの貢献度はわずか5パーセントにとどまるという事実が、北海道大学の調査でわかった。

 

 調査をしたのは北海道大学大学院農学研究院の森本淳子准教授らの研究グループ。

 

 森本准教授らは、1990年代以降に知床半島内で捕獲されたヒグマ191頭の大腿骨からコラーゲンを抽出し、その個体が死亡するまでの間に何を食べてきたかを示す炭素・窒素安定同位体比を測定した。

 

 その結果、知床半島に生息するヒグマ個体群全体がサケを利用する割合は5パーセントにとどまり、北米などのヒグマが栄養源の30パーセントをサケに頼っているデータと比べると極端に低いことが判明した。

 

 サケの利用は年齢や性別によっても変動があり、たとえば子育て中のメスやその子どもは相対的に低い。サケが遡上する川ではオスと遭遇する確率が高くなっており、子殺しのリスクから逃れるために、母グマが避けて行動するためと考えられている。

 

 一方、開発の手がほとんど入っていない世界遺産地域・知床のヒグマは、それ以外の地域に比べてサケを利用する割合が2倍と高いことから、森本准教授は「開発された地域ほどサケを食べてないので、ダム建設やサケ漁などの人為的な影響は否定できない」と話している。

 

 この論文は世界のクマ類の保全と管理に関する米科学誌URSUSに12月に掲載される。 

 

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