環境
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池の「かいぼり」で絶滅種の水生植物が復活 井の頭公園

 東京・三鷹市と武蔵野市にまたがる井の頭公園内の池で、水を抜いて底のヘドロや土砂などを取り除く「かいぼり」作業を行ったところ、絶滅したと思われていた水生植物が半世紀ぶりに復活したと東邦大学の研究チームらが発表した。

 

 東京都立井の頭恩賜公園内の「井の頭池」は、三代将軍家光が鷹狩りをした際の休息場所に使われ、江戸時代から貴重な水源や水生植物の生息地として知られてきた。戦後は、周辺の宅地開発に伴って湧き水が枯渇し、外来生物の導入や水質汚染で貴重な水生植物の多くが絶滅したと考えられてきた。

 

 今年(2014年)1月~3月にかけて、市民が参加して「かいぼり」作業を実施。水を抜いて、外来生物やゴミなどを取り除き、水底に光と酸素を送ったところ、夏には水の透明度が大幅に向上した。

 

 そこで東邦大学理学部の西廣淳准教授らの研究チームが底の泥を採取して調べたところ、半世紀近く前に絶滅したと考えられていた「シャジクモ」や「ヒロハノエビモ」などの絶滅危惧種が復活したことが確認された。研究チームでは、水草が豊かだった時代に実った種子が池に堆積した泥の中で休眠しており、「かいぼり」によって環境が改善されたことで発芽したものと見ている。

 

 このほかにも「ハダシシャジクモ」や「ホッスモ」「コウガイモ」など希少性の高い種の発芽が確認され、研究チームでは「かいぼりは、伝統的な管理手法として環境改善に有効な手段。水生植物の復活は自然再生に希望の灯をともす。豊かだった環境に少しでも近づけるよう今後も調査を続けたい」と期待を寄せている。