原子力

原発の「新基準」案 地震や津波へ備え強化 原子力規制委

 原子力規制委員会は10日、7月中旬に施行する原発の新たな規制基準案を発表した。福島第一原発事故の教訓から、地震や津波、火災、テロなどによる重大事故への備えを強化した。


 これまで規制委は基準を「安全基準」としていたが、「規制基準」に改めた。11日から30日間、パブリックコメント(意見公募)を実施した上で正式決定し、原子炉等規制法の規則として7月18日までに施行する。

 

 基準案では、地震対策として、活断層の真上に重要施設を建てないことを定め、活断層の評価を従来の「12~13万年前」で判断できない場合、「40万年前」までさかのぼるとした。津波は、発生しうる最大規模を「基準津波」として想定し、防潮堤や防潮扉の設置を求める。

 

 原発が深刻な事態に陥るのを避けるため、原子炉を冷却する配管の多重化や、複数の電源車の配備なども盛り込む。福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)では、放射性物質の大量放出を抑えながら格納容器の圧力を下げる「フィルターベント」の設置を義務付ける。

 

 停止中の原発の再稼動にあたっては、新基準への適合が求められ、古い原発も最新の安全技術の導入が必要になる。ただ、工事に時間のかかる設備については猶予を認める方針で、中央制御室が使えなくなった場合の前線基地となる「特別安全施設」などは5年以内に設置する。


 規制委の田中俊一委員長は「電力会社には、私たちの意図をくんでもらい、規制基準の要求を上回るような安全対策に取り組んでいただきたい」と話している。

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