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  • FUKUSHIMA

あなたにとって、忘れられない写真はありますか?

フォトグラファーをはじめ、クリエイターや俳優など、毎回各界で活躍する著名人が撮影した災害にまつわる写真を紹介。そこに秘められためた想いに耳を傾けることで、これから我々ができることを探っていきたい。

第2回 「無題」 撮影/小山幸彦

東日本大震災が起き、原子力発電所は増々注目されるようになった。 
その中でも、震災が起きる以前からライフワークとして原子力発電所を撮影し続けているフォトグラファーがいる。震災が起きた翌月に、東日本大震災復興支援のプロジェクト「Arts Action 3331」で写真展「原発を見た」を開いた、小山幸彦さんだ。 
原発の風景を撮り続けている、想いとは。

<小山さんインタビュー>

―原発の遠景や建設予定地を撮り始めたきっかけを教えてください。
 
4年程前、仕事で訪れたときに見えた、なにか異様で不思議な雰囲気が漂っていた風景。それが「原発」だということは、後から知りました。その不思議に感じた風景に興味を持ち、様々な地域の原発を撮るようになりました。この1枚は、原発を撮り続けているきっかけになった風景です。 

―全国の原発を回って印象に残った風景は? 

建設予定地を撮影するときは特に印象に残ります。 
立地はどこも豊かな自然が広がる場所です。日本のいわゆる田舎風景。森林や海が広がり、そこに人工物が建設されるなど想像もできません。撮影中はとても考え深い気持ちなります。 

―震災が起きた翌月に写真展を開催されていましたが、その時期に開催した意図を教えてください。 

震災後、アートスペースの3331 Arts chiyodaが、「東日本大震災復興支援Arts Action 3111」というプロジェクトを開くため、復興支援の活動をしている作家を探していました。そこで、知人の紹介があり急遽、展示が決まりました。 
ライフワークとして撮影していたのでいつか発表出来たらと考えていましたが、こんなにもすぐに展示を開催するとは思ってもいませんでした。まだまだ撮影途中であったため悩みましたが、今の時期にしか見てもらえない人達もいると思い、写真展を開きました。 

―写真展を見た来場者の反応はいかがでしたか? 

原発の遠景や予定地の作品が中心なので、変哲の無い風景写真に見える作品も多いです。展示前はその一見退屈に見える作品群をどう見てもらえるのか、不安もありました。そんななかで、原発の風景写真だと知らずに観ていた方の感想が嬉しくて、「単なる風景写真だと思い眺めていたら、最後に原発のある風景だとわかる。その瞬間の感覚が忘れられない。」というもの。まさに、自分が初めて原発のある風景を見た、同じ気持ちになってもらえたのだと思います。
展示後、頂いた感想を読むと、自分の思いや作品の意図が想像していた以上に、多くの来場者にも伝わっていたので驚きました。 

―これからも変わらず原発の風景は撮影されますか? 

元々ライフワークとして始めた撮影なので、これからも、撮り続けていきます。気に止める人が少なかった原発の風景が、原発事故を経て多くの意味や感情を沸き起こす特別な風景に変わったと思います。「原発のある風景」の見え方は今後さらに変化するのかもしれません。 
これからも、撮影を進めながらその動向を見守りたいと思います。

​プロフィール

小山幸彦 
1980年、東京生まれ。写真家。STUH所属。


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