事故

東横線 元住吉駅追突事故 原因はブレーキパッドの付着物

 昨年2月の大雪が降った日に、東急東横線元住吉駅に止まっていた車両に後続列車が追突した事故について、原因を調査していた運輸安全委員会は28日、ブレーキの力を車輪に伝えるブレーキパッドに付着した油やチリが雪と混じって、ブレーキが利かなくなったとする報告書を公表した。

 
 この事故は昨年2月15日午前0時半ごろ、川崎市の元住吉駅構内に停車中の渋谷駅発元町・中華街駅行きの8両編成の列車に後続列車が追突。後続列車は制限速度内の時速79キロで走行しており、624メートル手前で非常ブレーキをかけたが、時速35キロ前後で衝突した。


 事故当時、列車には乗客140人と乗員4人が乗車しており、このうち乗客7人が打撲などのけがをした。運輸安全委員会によると、後続列車の車輪と樹脂製のブレーキパッドの間には、潤滑油やチリが溶けた雪と混ざり合って液体状に付着していた。再現実験などの結果から、摩擦係数が低下し、非常ブレーキの利きが弱まったと結論づけた。


 ブレーキパッドは摩耗や損傷具合から通常1年から1年半くらいで交換されるものだが、その間に車両の定期検査を行った場合は、同時にブレーキパッドの清掃を実施するという。しかし安全委員会によると、後続車両に使われているブレーキパッドは、事故を起こすまでに最大で20カ月間、付着物の除去を行っていなかったという。


 このため安全委員会は東急電鉄に対して、「約3カ月に一回、定期的に行う必要がある」と指摘し、さらに1時間に2センチ以上の降雪がある場合は、早めのブレーキ操作や速度規制を行い、雪で視認距離が低下したり、ブレーキに余裕がない場合は、運行中止に踏み切るなどの再発防止策を求めた。

 
 東急電鉄は、報告書を受けて「おけがをされたお客様、ならびに沿線住民の皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。“安全”を使命とする公共交通機関事業者として、今回の事故は痛恨の極みであり、一刻も早い安全確保に全社一丸となって取り組んでまいります 」とのコメントを発表した。

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