防災知識

世界初 地震エネルギーで揺れを半減する新世代の制震装置

 鹿島は27日、地震による建物の振動エネルギーを蓄えて、揺れを押し返す力に変換することで、震度7クラスの大地震から高層ビルの長周期地震動まで、振れ幅を半減し、揺れが収まるまでの時間を劇的に短縮する制震装置を開発したと発表した。


 この制震装置「HiDAX(ハイダックス)-R」は、自動車のブレーキ時に発生するエネルギーを回収して再利用する「エネルギー回生システム」の原理を、世界で初めて建物用制震ダンパーに応用したもの。地震による建物の振動エネルギーを一時的に蓄え、揺れを押し返す力に変換し制震効率の向上につなげる技術だ。


 高層ビルの梁や柱などの骨組みの間に設置すると、震度7クラスの大地震をはじめ、強風による横揺れも抑制する。とりわけ、発生頻度の高い震度4~5クラスや、長時間揺れる長周期地震動には威力を発揮するという。


 開発研究チームは、35階建ての高層ビルモデルの1階~6階部分に「HiDAX-R」を設置して、東日本大震災のときに東京で観測された地震動を想定して制震効果をはかったところ、従来の制震装置に比べて、揺れ幅は半減、揺れを感じる時間は9分の1程度に短縮できた。

 

 振動吸収率は、一般のオイルダンパーに比べて約4倍、鹿島の従来品に比べても2倍アップ。1台あたりの消費電力は約70ワットで、停電時や電気系統にトラブルが発生した場合は、自動的に従来の制震装置システムに切り替わる。


 鹿島はすでに三井不動産が東京・有楽町で建設中の地上35階・地下4階建ての超高層ビルプロジェクトや、日本橋の再開発事業に本装置を設置する計画だとしている。また旧型のオイルダンパーが設置されている場合でも交換できるので、改修ニーズにも積極的に対応していく。

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