環境

南極の氷「実は増えてた」…北極では減少なのに NASA

 地球温暖化にともなって減少していると考えられていた南極の氷が、1992年から2008年までの間に増えていたことが、米航空宇宙局(NASA)の観測で明らかになった。


 NASAの地球観測所の研究チームは、人工衛星を使って氷床表面の厚さの観測を続けた結果、1992年から2008年にかけて氷は年間1120億トンのペースで増加していることが判明した。2003年から08年にかけて増加のペースは鈍ったが、それでも年に820億トン増加していたという。


 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2013年に発表した第5次評価報告書では、南極の氷床は過去20年間に「高い確信度」で減少してきたとされており、NASAの観測と食い違う結果を示している。


 観測チームによると、南極大陸の北西部に位置する南極半島では減り続けているが、内陸部や東部では減少分を上回る勢いで増え続けている。


 氷床から採取したサンプルを分析したところ、南極では1万年前から降雪量が増加傾向にあり、これが溶けずに蓄積したのが原因だとみられている。


 一方で、北極域では1979年以降、急速に減少している。10年間平均では海氷が3~4%、ひと夏以上経過した越年氷では10%以上減り続けている。NASAの観測チームは「北極海と南極の違いを考えると、気候変動が地球上で一律ではないことがわかる。南極で氷が増えているとはいえ、その増加率は北極での減少分を補うことはできない」と話している。

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