感染症

エンテロウイルスD68 青森で初の麻痺症状を確認 患者は最多の202人に

 乳幼児にぜんそく症状を起こし、重症化すると麻痺が残る「エンテロウイルスD68」の国内での感染報告数が、過去最多の200人を超えたと国立感染症研究所が公表した。青森県では左足の麻痺で入院した男の子からウイルスが検出されたという。


 エンテロウイルスD68は、昨年から全米で1000人以上が感染し、14人が死亡したことから“謎のウイルス”と呼ばれている。


 乳幼児や子供が発症しやすく、発熱やくしゃみ、鼻水などの症状から、気管支炎や肺炎、呼吸困難に至り、深刻化すると筋肉に力が入らなくなり、脳神経機能に異常をきたしたり、麻痺が残るケースもある。


 国内では2010年と2013年に、それぞれ120人以上の患者が発生しているが、昨年の感染報告数は9人だった。今年は8月以降に報告が増え始め、11月26日の時点で患者数が全国で過去最多となる202人に達した。


 都道府県別に見ると、埼玉県や栃木県、広島県、山形県などの患者報告数が多いが、感染は全国各地に広がりを見せている。報告される症状は風邪やぜんそく症状が8割近くを占めるが、国立感染症研究所によると、青森県内で発症した10歳の男の子に重い麻痺症状が確認された。


 青森県環境保健センターの報告によると、この男児は9月上旬に咳や発熱の症状を訴え、左足の膝や腰に痛みやしびれを感じ、医療機関を受診。当初、手足に力が入らなくなる難病の「ギラン・バレー症候群」かと疑われたが、遺伝子検査の結果、エンテロウイルスD68が検出されたという。


 この病気に現時点で治療薬やワクチンは無く、予防法は、インフルエンザなどと同様、手洗いやマスクによる対策が重要だとされている。国立感染症研究所では「国内で、麻痺やせきずい炎の症状はこれまで報告されていないが、欧米での症例を考えると、今後の流行には注意が必要だ」と話している。

 あなたにオススメの記事