政治

栃木・塩谷町 最終処分場の候補地返上を要請 環境省に一時入館できず

 東京電力福島第一原子力発電所の事故によって発生した放射性廃棄物のうち、1キロあたり8000ベクレルを超える指定廃棄物の最終処分場の候補地となっている栃木県塩谷町は、7日、見形和久町長らが環境省を訪れ、井上信治副大臣に対して候補地を返上したいと申し入れた。


 福島第一原発の事故によって大気中に放出された放射性物質のうち、1キロあたり8000ベクレルを超える焼却灰や汚泥、稲わらなどの指定廃棄物の量は、今年9月末時点で16万6329トンにのぼる(環境省調べ)。


 栃木県の塩谷町は昨年7月、指定廃棄物処分場の候補地選定に向けて、国有林のある国有地一帯が調査対象に選ばれたが、今年9月の集中豪雨の影響で、町内を流れる鬼怒川水系の支流が増水して、多数の樹木がなぎ倒されるなどの被害を出した。


 現場の被害の実態を知った塩谷町長らは10月、「洪水による浸水が想定される土地は、指定廃棄物処理場の候補地に選定されるべきではない」と訴えて、候補地返上を求めて環境省に申し入れを行った。


 町と省はその後も意見交換などを繰り返したが、環境省職員の「冠水したから直ちに全部がダメという短絡的な考え方ではない」や「土木工学的な対策で建設は可能」などといった発言に町側が反発、両者の対立が深まった。

 
 7日は見形町長が栃木県選出の国会議員2人を伴って、環境省の井上副大臣を訪問し、調査候補地返上を求めて要望書を手渡した。井上副大臣は「正当な手続きと基準、データにもとづいて選定した候補地であり、受け入れが決まっていない段階で“返上”と言われても理解しがたい」と返答した。


 また、一行が環境省の庁舎に入館する際にも、町側に同行した栃木県選出の国会議員2人が「副大臣に面会するアポイントメントがない」を理由に環境省職員から入館を拒否されるひと悶着が見られた。最終的には町長側が「議員同席が叶わなければ面会自体をキャンセルする」と主張して、井上副大臣への面会が実現したという。

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