生物

生まれつき後ろ足がない猫 3Dプリンター製の足で歩けるように

 3Dプリンターの進化がめざましい。3Dプリンターの可能性は、事故や病気で歩くことができなくなった動物たちの第二の手足になろうとしている。


 アイオワ州立大学ロイド獣医医療センターの臨床獣医師メアリー・サラ・バーグ准教授のもとに運び込まれた猫のヴィンセントもその恩恵にあずかった一匹。


 ヴィンセントは生まれつき後ろ足のすねから下の骨がない奇形で、子猫のときにキャンプ場に捨てられていたところを保護された。


 子猫を診たバーグ准教授は、犬の股関節や膝関節を人工で作る医療器具メーカー、バイオ・メドトリックス社に相談。3Dプリンター技術を駆使してチタン合金製の脚を作り、2014年2月に手術した。

 
 手術から2年近く経ち、ヴィンセントは今、3歳。感染症のリスクがあるので1日2回、抗生物質の投与を受けなければならないが、それ以外はすこぶる元気。後ろ足を使ったジャンプはまだできないが、歩いたり走ったり、自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回ったり、日常の動作は問題なしだ。


 ドクター・バーグは「この義足は最先端の人工四肢技術で作られていて、成長に合わせて調整もできます。ヴィンセントは今はちょっとずんぐりした体型ですが、今後、足が長くなれば、ハンサムになりますよ」と話す。


 バイオ・メドトリックス社によると、同社の人工関節や骨の形成手術を受けた動物は世界中に40匹ほどいるという。ほとんどは飼い犬と飼い猫だが、なかには腰の関節炎になった動物園のユキヒョウに人工骨を施した手術例も報告されている。


 患者は米国だけでなく、海外にもいて、日本では兵庫県で飼われているジャーマン・シェパードのリーザが、股関節形成不全で手術を受けている。


 ドクター・バーグは言う。「ヴィンセントのケースは、同じような障害を抱えたほかの動物に希望の扉を開けてくれました。ヴィンセントの手術で磨いた技術で、多くの動物と飼い主を幸せにしたい」

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