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福島の子供 甲状腺がん113人「罹患率は全国平均の数十倍」30万人検査で判定

 東京電力福島第一原子力発電所の事故当時、18歳以下だった子供を対象に、福島県が実施している県民健康調査について、県の検討委員会は15日、中間とりまとめの最終案を発表した。報告書によると、事故直後に開始した甲状腺がんの先行検査を受けた約30万人のうち、これまでに113人ががんと判定されており、全国の甲状腺がん罹患率に比べて、数十倍高い割合で発見されているという。

 

 先行検査は、原発事故直後の2011年10月から開始し、昨年4月末までに23歳以下の県民約30万人(受診率81.5%)が受診した。その結果、これまでに113人が甲状腺がんの「悪性ないし悪性の疑い」と判定され、うち99人が乳頭がんなどの手術を受けている。

 

 全国の地域別甲状腺がん患者の罹患率と比較すると、この発見率は数十倍と高く、有識者でつくる県の検討委員会は、「将来的に臨床診断されたり、死に結びついたりすることがないがんを多数診断している可能性がある」と指摘したうえで、「原発事故による放射線の影響とは考えにくい」と判断している。

 

 その理由としては、▽被ばくからがん発見までの期間が1年〜4年と短いこと、▽被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べてはるかに低いことなどを挙げている。

 

 ただし、放射線の影響の可能性は、小さいとはいえ現段階では完全に否定できないことから、影響把握のために長期にわたる情報収集が必要だとして、今後も甲状腺検査を続けていく必要を主張している。

 

 一方、2014年4月から2年にわたって実施した超音波画像診断などを使った本格検査は約23万人が受診。ポリープやしこりが見つかった約13万人のうち、1172人は腫瘍の大きさが平均5.3ミリから30ミリ以上あるとして二次検査を受けた。細胞の病理診断の結果、51人に「悪性ないしは悪性の疑い」があると判定されている。

 

 これらの結果を踏まえて、福島県では今後も定期的な検査を実施するとともに、二次検査を受けた受診者についてはサポートチームを立ち上げ、心の不安にも対処する相談体制を設置して継続的な支援を続けている。

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