地震

熊本地震 帯状に集中する液状化 かつて河川や水路の存在が?現在の地形ではわからない歴史の秘密

 一連の熊本地震では、海岸から離れた内陸部の熊本市から嘉島町にかけて、帯状に地盤の液状化が集中していることが、地盤工学会の現地調査で判明した。液状化が確認された地域は、かつて河川や水路だったという証言があり、現在の地形では判読が難しい土地の歴史が指摘されている。

 

 地盤工学会の村上哲・福岡大学教授らのチームは4月22日から24日、熊本市南区から上益城郡嘉島町にかけて約5キロの一帯の液状化被害を現地調査した。

 

 熊本市南区では、旧国道3号線沿いで住宅の傾きや建物周辺の沈下のほか、火山灰のような灰色の砂が道路に噴き出す「噴砂」被害が多数確認された。

 

 このエリアは、白川の氾濫で上流から運ばれた砂が堆積してできた「自然堤防」という地形と重なり、白川の旧河道である可能性が高いという。地元の証言で80年前には水路を船で行き来していた時代もあり、現在の地形では見分けがつかないが、土地の来歴も無視できないと指摘している。

 

 また熊本市南区と加勢川を挟んで対岸にある嘉島町でも、農地を中心に噴砂による液状被害が多数見られたほか、堤防や道路に亀裂が確認された。この地区もまた、かつて河川が氾濫した経緯があり、旧河道や水田を盛り土で造成した地形だと推測されている。

 

 調査チームは、「液状化を確認した地域は、東日本大震災で利根川下流域の茨城県鹿嶋市や神栖(かみす)市に被害が集中したケースと状況が酷似していて、地形だけでは判別できない土地の歴史や改変も考慮に入れなければならない」と指摘し、今後、阿蘇山の噴火活動やカルデラ形成後の歴史についても細かく調査する必要性があると話している。

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