宇宙

まさにキャノンボール!瀕死の星から最期の攻撃?8年ごとのミステリー

 宇宙空間を周回するハッブル宇宙望遠鏡が、1200光年離れた「うみへび座V星」から高速で放たれる巨大な高音ガスの塊を観測したと米航空宇宙局(NASA)が発表した。

 

 NASAが“火の玉”と呼んでいるこの現象は、過去400年間にわたって8年半ごとに1回、うみへび座V星から時速にして80万4500キロの猛スピードで発射されるプラズマガスだ。喩えるなら地球から月まで30分で到着できるほどの速さは、まさにキャノンボールだ。

 

 とはいえ「うみへび座V星」は、星としての一生を終える寸前の赤色巨星。夜空に輝く恒星は、赤や黄色、青とさまざまな輝きを放っているが、これは表面温度が異なるから。自ら光を発する恒星は、燃料の水素が少なくなってくると、外側の大気の層が膨張を始め、赤く輝いて赤色巨星に変化し、やがて超新星爆発を起こして死を迎える。

 

 しかし、こんな瀕死状態の星が、火星のおよそ2倍の質量にあたるプラズマガスを勢い良く放射しているのはどうにも説明がつかないとして、天文学者たちが頭を悩ましているのだ。

 

 NASAの研究チームは2002から2004年と、8年半後の2011年から2013年にかけて2度にわたって、この現象を観測している。その結果、プラズマのボールの温度は、華氏1万7000度(摂氏9427度)を超えていて、その温度は太陽の表面の2倍に相当することを突き止めた。

 

 「最期を迎えたうみへび座V星を取り囲むガス星雲の中に、高いエネルギーの火の玉を放つ謎が隠されています。まさに8年半ごとに繰り返されるミステリーなのです」

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