感染症

インフル流行「今年は出足が早い」感染リスクは誕生年で差?

 今年は9月早々に茨城県の幼稚園で26人の集団感染が報告されるなど、インフルエンザ流行の兆しが早くも見られている。こうしたなか、アジアや中東を対象にした最新の研究で、ウイルスのかかりやすさは、生まれた年によって違いがあることがわかった。

 

 国立感染症研究所によると、11月6日までの1週間で全国5000カ所の定点医療機関を受診した患者の報告数は2900人を超え、1医療機関あたりでは0.59人となった。都道府県別に見ると、沖縄県が最多の11人近く、次いで福井県(2.44人)、栃木県(1.66人)など、34都道府県で前週より増えている。

 

 定点医療機関からの報告をもとに、全国の医療機関を最近1週間で受診した患者数を推計すると約3万人に上り、過去5年に比べると早くも流行シーズンに突入したようだ。国立感染症研究所によると、9月からこれまでに報告された患者から検出されたウイルスで最も多いのは、「A香港型(AH3亜型)」で、次いで2009年に世界的大流行(パンデミック)を起こした「AH1型」が続く。

 

 こうしたなか、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは、アジアと中東に住んでいる、鳥インフルエンザ「H5N1」と「H7N9」に感染したことがある1400人以上について、免疫機能を調査し、感染リスクを比較した。

 

 その結果、「H5N1」ウイルスに感染した患者は、若者や子供で多かったのに対して、「H7N9」は高齢者が多いことが判明した。研究グループによると、1968年を境に、それ以前と以後に生まれた人では感染傾向に大きな違いがあることが明らかになった。

 

 この1968年は、いわゆる「香港かぜ」が世界的に大流行した年だ。この年から翌年にかけて、A香港型ウイルスに感染して、少なくとも50万人が死亡した。研究グループは、子供の頃にA香港型に接触する機会が多かった世代では、遺伝型が近い「H5N1」への免疫ができている一方で、それ以降に生まれた若い世代は、感染リスクが高まる可能性があると指摘し、「幼少期に流行したウイルスを把握することで、将来の感染リスクへの備えにつながるかもしれない」と話している。

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