感染症

蚊の次はハエ?旅行者の移動で広がる「リーシュマニア症」米国が震撼

  これまで米国内ではほとんど報告がなかった「リーシュマニア症」の感染が、テキサス州とオクラホマ州で発生したと、米国感染症学会(IDSA)が15日発表した。

 

「リーシュマニア症」は、蚊の3分の1くらいの「サシチョウバエ類」が媒介する寄生虫症で、メキシコやブラジルなどの中南米や東南アジア、アフリカ、中東、南ヨーロッパなど90カ国以上で感染報告がある。世界保健機関(WHO)によると、毎年100〜200万人が新たに感染していると推測される。

 

 ヒトへの感染を引き起こす原虫は20種類以上いて、その種類によって発症した場合の症状が「皮膚」「内臓」「粘膜」の3つに分かれる。

 

 最も一般的な「皮膚リーシュマニア症」は、毎年70〜120万人が感染するとみられていて、感染すると皮膚に数週間から数カ月でクレーター状のこぶや腫れ物ができる。できものは、だんだん大きくなり、最終的には痛みを伴う潰瘍になって、治療しなければ自然消滅するまで数カ月から数年かかり、傷跡も残る。

 

 「内臓リーシュマニア症」は感染後、数カ月から数年で症状が現れる。発熱や体重減少、血液細胞の減少から始まり、重症化すると脾臓や肝臓が腫れて、造血機能が低下し、放置すると数週間から数年で死亡する。

 

 鼻や口、のどに転移することで発症する「粘膜リーシュマニア症」は、感染から何年も経ってから発症する。初期はしつこい鼻づまりや鼻血、口やのどの中の違和感程度だが、これも放置すると外見が損なわれるような変形を引き起こすというから要注意だ。

 

 米国感染症学会は「イラクとアフガニスタンに派遣された米兵の帰還と、中南米への旅行者の増加で国内へ病気が持ち込まれているリスクが高い」と述べて、国内の医療機関に向けて検査方法や診断に関するガイドラインを発表した。

 

 リーシュマニア症には予防ワクチンや薬がないため、ハエに刺されるように気をつけるのが第一だが、感染した場合は、症状や患者の健康状態によってさまざまな薬剤や治療法が開発されている。

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