地震

M7.9小笠原地震「プレートがマントルへ突き抜け開始!」

 昨年5月に小笠原諸島沖で発生した巨大地震について、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究グループは、日本付近で沈み込んでいる「太平洋プレート」が、その下のマントルへ突き抜けを始めた合図だったとして、今後、小笠原付近では震源が深い深発地震が起きるエリアが広がる可能性があると指摘した。

 

 小笠原諸島の西方沖では、2015年5月30日午後8時23分、M7.9の地震が発生し、小笠原村で震度5強、埼玉県鴻巣市や春日部市、宮代町で震度5弱の揺れを観測した。

 

 小笠原諸島周辺は以前から地震が多いが、昨年の地震は、震源が約680キロと異常に深く、東に大きくずれた地点だったことから、JAMSTECの大林政行主任研究員らのグループは、太平洋プレートの沈み込みと関係があるとみて解析を行った。

 

 日本は、新潟県の糸魚川から富士川の河口に伸びる「糸魚川–静岡構造線」を境に、北に北米プレート、南にユーラシアプレート、太平洋側には南海トラフを境界にユーラシアプレートの下に潜り込んだフィリピン海プレートと、太平洋プレートの4つのプレートが存在する。

 

 このうち、フィリピン海プレートの下に沈み込んでいる太平洋プレートは、深さ660キロでほぼ水平に横たわっていて、その上下はマントルに挟まれている。通常ならば、プレート内部にかかる力は水平方向に伝わるが、解析の結果、昨年の地震は、南小笠原付近で蓄積された力が、下部マントルに突き抜け始めた可能性が高いという。

 

 地震を引き起こす原因となる海洋プレートの変化をめぐっては、日本南部からフィリピン東部に伸びるマリアナ海溝でも、太平洋プレートが下部マントルへ突き抜けている地点があるとされるが、突き抜けが始まるメカニズムについては、明らかにされていない。

 

 今回、その前兆をとらえたことで、研究グループは今後、プレートの変化の研究につながることを期待している。なおこの研究成果は、英科学誌「アース&プラネタリー・サイエンス・レターズ」電子版に掲載された。

 あなたにオススメの記事