感染症

鳥からヒトへのインフルエンザ 中国で感染相次ぐ WHO

 昨秋以降、国内各地の養鶏場や野鳥で高病原性鳥インフルエンザの感染報告が相次いでいるが、世界保健機関(WHO)は18日、中国・香港で10歳の少年が、鳥インフルエンザウイルスに感染したと発表した。中国では、香港やマカオを中心に鳥からヒトへの感染が相次いでいるが、厚生労働省によると、これまでのところ日本での発症報告はないという。

 

 中国保健局から報告を受けたWHOによると、今月9日、香港の10歳の男の子が高熱や咳などの症状で入院。検査の結果、鼻の粘膜から、鳥インフルエンザA型ウイルスの陽性反応を確認。

 

 少年は昨年末から正月休みを利用して、広東省仏山市の親戚の家に滞在。親戚の家では鶏を飼っていて、期間中には家禽市場に訪れたという。現地の保健当局は、少年が接触した可能性がある70人の健康状態に変化がないかどうか、監視を続けている。また、12日にはマカオでも、72歳の女性の感染が明らかになった。

 

 中国本土や香港、マカオ、台湾では鳥インフルエンザの感染報告が相次いでいて、WHOによると2013年3月以降に発症した患者の数は918人、うち少なくとも358人が死亡している。

 

 気になるのは、現在日本国内で猛威を振るっている高病原性鳥インフルエンザだが、これまでの検査で、国内で流行中のウイルスは「H5N6亜型」だと判明している。ゲノム解析を行った農研機構によると、これまでのところ、ヒトへの感染に必要なアミノ酸変異が起きていないことから、「鳥から人間に直接感染する可能性は低い」という。

 

 一方、中国の場合は、ウイルス型が「H7N9亜型」で、鳥からヒトへの感染力が極めて高い。ほとんどが、生きた鶏を扱う家禽市場での感染が多く、その他にも野生のハト、伝書鳩農場などでウイルスが見つかっている。感染すると高熱や咳を発し、治療が遅れると、深刻な肺炎になったり、脳症や急性呼吸不全に至るケースも報告されている。

 

 厚労省は、中国への渡航予定がある人に対し、「鳥との接触を避け、家禽市場や養鶏場にむやみに近寄らないでほしい」と予防を呼びかけている。

 

■全国の感染症に関する情報は、ハザードラボ「感染症マップ」をご覧ください。

 あなたにオススメの記事