火山

「魔女の山」異名もつ氷河火山 地震続発で噴火の可能性 アイスランド

 2010年にアイスランドで起きた火山の噴火を覚えていられるだろうか?その年の4月に始まった噴火は1カ月以上続き、ヨーロッパの広い範囲で旅客機が飛べなくなり、第二次世界大戦以来の航空トラブルを引き起こした。最近になって、氷河火山周辺で地震活動が活発化していることから、噴火の可能性が高まっているとして当局が警戒を強めている。

 

 国名どおり氷の島であるアイスランドは、一方で火の島でもある。現在、活動している活火山は32ほど確認されており、最近では2010年4月にエイヤフィヤトラヨークトル火山、翌年5月にはグリムスヴォトン火山が相次いで噴火し、その大量の火山灰でヨーロッパ全域の航空路線が数週間麻痺した。

 

 いずれの火山も氷河の下に覆われていて、噴出する溶岩の量も多く、過去500年の間に地球上で噴出した溶岩の3分の1はアイスランドの火山群によるものだと唱える学説もある。

 

 アイスランド気象庁や火山防災機関によると、同国南部に位置するミールダールスヨークル氷河にあるカトラ火山では、先月27日、マグニチュード(M)4.3の比較的大きな揺れを観測。カトラ火山周辺では、昨年8月以降、地震活動が活発化しており、大きなものでM3〜4クラスに達した。

 

 アイスランド大学地球科学研究所によると、カトラ火山での地殻変動は2010年以降ゆるやかに続いていて、氷河の下で山体が膨張している可能性が非常に高いという。防災当局は、カトラ火山に噴火の可能性が高まっているとして、監視態勢の強化を支持するとともに、氷河ツアーを企画する観光会社にも情報提供を始めている。

 

 火山学者によると、エイヤフィヤトラヨークトル火山のケースでも、最初の噴火から4カ月ほど遡った前年クリスマスごろに火山性地震が数千回観測された。

 

 今回、噴火が懸念されるカトラ火山は、噴火すれば、その規模はエイヤフィヤトラヨークトルの10倍にも及ぶとおそれられている、名前のとおりの「魔女の山」だ。

 

 古くから伝わる魔女の名前であるカトラ火山は、50〜100年おきに大噴火を起こしており、近年、最後の大規模噴火は1918年。このとき、溶け出した氷河の水の量は、ナイル川とミシシッピ川を足した水量の10倍に及び、それが一気にふもとの村を襲った。さらに火山灰で太陽の光が弱められ、何日間も夜のような暗い状態が続いたという災害記録が残されている。

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