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らせん状の生殖器を持つカモ!長さを左右する原因は?

 鳥のオスには、生殖器がないことをご存知だろうか?97%の鳥類は、オスがメスの背後から肛門をくっつけ合うことで、精液を送り込んで交尾するが、ペニスを持つ数少ない例外がカモの仲間だ。ワインのコルク抜きのようにらせん状の不思議な形のペニスをもつカモの謎に、米国の大学の研究チームが迫った。

 

 このユニークな研究は、米マサチューセッツ州マウント・ホリヨーク大学の研究チームが、米鳥類学会が発行する『The Auk〜鳥類学の進歩』に最近発表したもの。パトリシア・ブレナンさんらの研究チームは、欧米に広く分布する「アカオタテガモ」と、日本にも飛来する「コスズガモ」のヒナを対象に、ペニスのサイズが異なる謎に挑戦した。

 

 2種類のカモはいずれも伸び縮みするらせん状の生殖器を持っているが、アカオタテガモの方が長く、コスズガモは短い。この違いは、決まった相手とペアになるコスズガモと、つがいを作らないアカオタテガモの習性と関係があるとみたチームは、それぞれのヒナを、オスとメスのペア状態と、群れで過ごすチームに分けて2年間飼育した。

 

 その結果、コスズガモのヒナは、群れで育てた方が平均してペニスが大きくなった。一方で、アカオタテガモのほとんどは、実験開始から2年目経っても性的に成熟しなかった。ようやく生殖可能な段階に達したとき、群れで成長したカモは、ペアで飼育したカモよりもペニスの発達は早かったが、交尾期間はあっという間に終わってしまったという。

 

 ブレナンさんは「群れの生活は、コスズガモにとっては自分の子孫を残すためにペニスの成長を促し、アカオタテガモは、オス同士の争いを避けるために、戦略的に成長を遅らせたのかもしれない」と述べて、成長過程で経験する生存競争の度合いによって、性的成熟度に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘した。

 

 オスなら(男なら)どんな種でも自分の持ち物のサイズは気になるところだが、このユニークな研究の最大の難問は、ペニスの測定ではなく、飼育そのものだったとブレナンさんは言う。

 

「実験にあたっては、コネチカット州の水鳥保護施設のプロの手を借りました。野生のカモの飼育って、想像以上にお金と労力がかかるんですよ」と笑いを浮かべるが、そう言わずに、次はカモ以外の動物でもユニークな実験に挑んでもらいたいものだ。

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