歴史

防災歳時記7月31日START I それは冷戦の終わり

 今から22年前、1991年の今日7月31日、モスクワのクレムリンで歴史的な条約が調印された。

 

 START I(第一次戦略兵器削減条約)。

 

 歴史的条約にサインするジョージ・ブッシュ大統領とゴルバチョフ大統領。

 

 長い冷戦の期間中、米ソが相手の喉元に突きつけてきた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の上限を決め、相互に削減していくこの条約は、「核兵器の脅威により統治される時代」が終わる象徴と感じた。

 

 1991年は世界がめまぐるしく変わった年だった。この歴史的な調印のわずか5ヶ月後、1991年12月25日のクリスマスにゴルバチョフ大統領は辞任し、「ソビエト連邦」は74年の歴史に幕を降ろした。

 

 その2年後、1993年には第二次戦略兵器削減交渉(START Ⅱ)が調印される。

 

 ベルリンの壁が崩壊し、ソ連が終わり、冷戦の時代も終焉を迎え、世界は核のない時代に一気に進んでいくのかに見えたが、ロシア議会がSTART Ⅱの批准を否決したことから、歯車がかみ合わなくなり、実際の核兵器が劇的に削減されるムーブメントは失せていた。

 

 それが先月16日、オバマ米大統領が、核弾頭を米ロ相互に約1000発まで減らす提案を発表した。

 

 その背景には2001年以降、再び米ロに核軍縮の機運が醸成されつつあったことがある。

 

 しかしそれは必ずしも米ロ両国が「核のない平和な世界」を純粋に願っているだけとも言い切れない側面がある。

 

 9.11同時多発テロ事件以降、米国と世界の注目が「テロという暴力」に向いた。

 

 テロリストたちは、「テロの恐怖」により自らの思うところを世界に主張する。

 

 2大国による「核の恐怖」が世界の表舞台からステップバックし、「テロの恐怖」が前面に躍り出てきたとも言える。

 

 核軍縮は是非とも実現させてほしい。それは偉大な進歩だ。

 

 しかし「恐怖による統治」という世界の根底を流れるベクトルそれ自体は、核からテロに手法が変わっただけで「冷戦の時代」から、今も悲しいくらい進歩していないようにも見える。

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