火山

バリ島噴火「気候変動に影響が?」NASAが懸念〜冷夏の恐怖

 活発な噴火活動が続くバリ島アグン山について、米航空宇宙局(NASA)は29日、火山灰を含む噴煙が周辺に広がっていく状況をとらえた衛星写真を公表し、「爆発が長期間にわたって続くと、20世紀最大のピナツボ山噴火のように、地球の気温に影響を及ぼすかもしれない」と懸念を示した。

 

 インドネシア・バリ島のアグン山は、半世紀ぶりに噴火した今月21日以来、今も爆発が続いている。島南部に位置するデンパサル国際空港は、27日から営業を停止していたが、29日午後から再開。しかし、引き続き多数の便が欠航しており、海外の観光客には足止め状態を余儀なくされている人も多い。

 

 こうしたなか、NASAの地球科学研究チームは29日、地球観測衛星テラが同日にとらえたアグン山山頂から周辺に広がっていく火山ガスと火山灰の写真を公開した。

 

 この写真は、見たままの自然な色と赤外線熱観測装置の画像を組み合わせたもので、噴煙と雲の違いを識別できるようになっている。山頂のふたつの火口から噴出している噴煙は、一方は水蒸気量が多い白っぽいもので、一方は火山灰が多い暗い色をしている。

 

 標高3000メートル余りのアグン山から噴出する噴煙は、最大で高さ3000メートル上空に達しているが、成層圏に到達するほどの高度ではない。

 

 しかし、20世紀最大の噴火と言われた1991年6月のフィリピンのピナツボ山のケースでは、放出された大量の火山灰が34キロ上空の成層圏に達し、長期にわたってとどまったことから、世界中に拡散。日射量が極端に減少して世界中で異常気象が多発し、日本でも戦後最悪の冷夏で、米など農作物の収穫に影響を及ぼした経緯がある(1993年「平成の米騒動」)。

 

 NASA研究チームのデヴィッド・コンシダインさんは「アグン山の噴煙の高さは、今は海抜9600メートル程度なので、成層圏に達する高さではない。しかし、噴火規模がさらに激化し、火山ガスに含まれる二酸化硫黄が熱帯低気圧などの影響で上空高くまで広がると、気候変動に影響を及ぼすかもしれない」と懸念を示している。

 

■国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」をご覧ください。

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