火山

アフリカ東部で地割れ進行中「大地溝帯」が東西を分離する日(動画)

 

 アフリカ東部のケニアで発生した巨大な地割れについて、英ロンドン大学の地質学研究グループは、「アフリカ大陸を南北に縦断する大地溝帯に沿って、東西のプレートが引っ張られ続けることで、今後数千万年に東西がふたつに分裂する予兆だ」という見解を示した。

 

 この問題は先月半ば、ケニアの首都ナイロビの高速道路が地盤沈下したのに続いて、リフトバレー州のマイ・マヒウ(Maai Mahiu)近郊で地割れが発生し、道路が幅5メートル以上に渡って分断されたもの。

 

 地割れが発生した原因について、当初はケニア各地に降った豪雨で洪水が発生し、大量の水が地下の脆弱な地盤に浸透することで、地盤が崩壊する「パイピング現象」だと指摘する意見もあった。(ケニアのDaily Nationよりドローン映像)

 

 

 こうしたなか、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校で、地殻や断層など構造地質学を研究するチームは先月29日、大地溝帯の地下のプレートが、地球内部に存在するマントルからのマグマ上昇によって左右に引き伸ばされ、巨大な亀裂となって地表に現れたとする見方を発表した。

 

 大地溝帯は、アフリカとアラビア半島を分ける紅海からエチオピアの高原地帯を南北に走り、タンザニアへ至る3000キロ以上に及ぶ巨大な谷で、約1000万〜500万年前に形成が始まったと考えられている。

 

 大地溝帯周辺は地熱が高く、地下にはマントルの上昇流が存在していることを示している。地球物理学者らは、マントル上昇流がプレートを押し上げることが大陸を分裂させる力につながっていると考えており、これが起こったのが、1億3800万年前の南米大陸とアフリカの分離だ。南大西洋の両側に分かれた南米大陸の東側と、アフリカ大陸の西側の海岸線を合わせてみると、パズルのピースのようにピタリとはまることがこの説を裏付けている。

 

 ロンドン大学の博士研究員ルシア・ペレス・ディアスさんは、「同じことが現在ケニアで起きている」と指摘。マントル上昇流が存在すると考えられているエチオピア北部のアファールでは、すでに3000万年前から地割れが始まっていて、ジンバブエに向かって年平均2.5〜5センチの割合で亀裂が伸びているという。

 

 3000キロ以上に及ぶ大地溝帯は、場所によって地殻の変動率が異なっていて、南部では伸長率は小さいものの、広い範囲で断層運動が起こりやすい。一方、北部のアファール地方の周囲は、マグマが地表近くで急速に冷却されてできた火山岩で覆われていることから見ても、プレートが崩壊寸前まで引き伸ばされている可能性があるという。

 

 とはいえ、アフリカが分裂し、新たな海ができるまではあと数千万年かかる見通しで、いますぐに東西分裂の危機が迫っているわけではないという。

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