医療技術

ビリビリ!両脚に電気ショック?原因は背骨に潜む寄生虫 フランス

 

 フランスの女性がある日突然、両脚に電気ショックを受けたような激痛を感じるようになり、35歳の若さにもかかわらず、段差のないところでしょっちゅう転倒するようになった。原因を調べようと、MRI検査を行った結果、通常ならありえない場所に寄生するサナダムシが見つかった!

 

 サナダムシとはご存知のとおり、生物の腸内に潜むきしめん状の長い体を持つ寄生虫だ。日本国内の場合、十分に加熱していないサケやマスに幼虫が潜んでいることがあり、食べた人間の腸内でどんどん育ち、ある日トイレでお尻から長い虫が出てきてビックリするというケースが一般的。

 

 ところが、米マサチューセッツ内科外科学会が発行する医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に今年7月掲載された症例報告によると、仏ブルゴーニュ地方で暮らす35歳の女性が約1年前、趣味の乗馬ができなくなるほど両脚の激痛を訴えて病院を訪れた。

 

 診察したディジョン大学病院センターのリオネル・ピロース(Lionel Piroth)医師によると、患者の両脚には感覚障害が起きており、曲げ伸ばしがしにくくなっていたほか、血液中の白血球のうち、好酸球が異常に増えていることがわかった。

 

 通常、喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患で増加するが、ある種の寄生虫が体内組織に侵入した場合も、体を守る免疫機能を働かせるために好酸球増多症が起こる。

 

 そこでMRI検査を実施した結果、9番目の脊椎に異常を発見。背中の皮膚を切開して胸椎の後ろから切除する外科手術を行ったところ、サナダムシの成虫が潜んでいることがわかった。

 

 嚢胞(のうほう)性エキノコックス症だと診断された患者には、寄生虫感染症の治療薬アルベンダゾールが処方され、9カ月後には両脚のしびれや痛みが完全に消えたものの、海外旅行に行ったこともなく、フランス国内で感染した原因は今もなおわからないという。

 

 ピロース医師によると、背中から取り除かれたサナダムシは、犬の腸内に寄生する種類のものだが、女性は犬を飼っていないことから、犬の糞で汚染された土壌で育てられた農作物を食べて感染した可能性が高いと推測している。

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