歴史

歴史探偵お宝発見!60年間大学に眠る「恐竜の骨」鑑定したら「謎の絶滅動物」

 筑波大学の収蔵庫にしまったまま、60年以上忘れられていた「恐竜の骨」と信じられてきた化石が、鑑定の結果、「パレオパラドキシア」という絶滅した哺乳類の大腿骨であることが判明した。保存状態が良いため、謎に満ちた生態の解明に役立つと期待されている。

 

 この化石は2017年6月、国立科学博物館の木村由莉研究員が筑波大の古生物標本収蔵庫を調査した際、偶然古い木箱に入った骨を発見。絶滅した海の哺乳類「束柱(そくちゅう)類」の大腿骨だと判断して、8つの研究機関による調査チームを結成して詳しく調べた結果、約2300〜1000万年前に、北太平洋の沿岸地域に生息していた「パレオパラドキシア」だとわかったという。

 

 まず、収蔵庫の台帳を調べた木村さんたちはすぐに、大学の登録標本ではなく、終戦後の昭和20年代後半に、筑波大の前身である東京教育大学の教員に預けられたまま、送り主との連絡が途絶えたまま、忘れ去られていた事実を知る。

 

 そこで木箱に残っていたメモを手がかりに当時を知る人への聞き取り調査を行ったところ、60年以上前に福島市西部の土湯温泉町の砂防ダム工事中に発見されたと突きとめた。工事資料と照合した結果、発掘場所を2地点に絞りこんだ。

 

 現地では「恐竜の骨」だと信じられていたが、1954(昭和29)年に起きた「土湯村大火」で化石の由来に関する資料一式がすべて失われたことを突きとめたというから、まさに「歴史探偵」だ。

 

 肝心の骨は、付着していた岩から採取した鉱物の年代を測定したところ、1600万年前より新しい時代に生きていた動物の右足の大腿骨だとわかった。「パレオパラドキシア」は現代のカバやセイウチに似た姿をして、水辺を歩いたり、水中を潜る生活をしていたと考えられているが、「謎めいた(パラドックス)古生物(パレオ)」という名前どおり、その生態は謎に満ちている。

 

 日本では福島県伊達市梁川町の広瀬川で1984年にほぼ完全な形の化石が見つかっており、今回の再発見で、古代の福島県に謎の動物が生息していた可能性が高まり、謎の生態を解き明かす重要な手がかりになると期待されている。

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