気象

異例尽くめの「西向き台風」予想進路が1983年6号とそっくり!

 勢力が強い台風12号は27日現在、小笠原諸島付近から伊豆諸島をめがけて北上している。台風は通常、上空の偏西風と地球の自転の影響を受けて、北東方向へ向かうのが一般的だが、今回の12号は北へ移動したのち、西向きに進んで本州に上陸すると予想されており、異例尽くめだ。この進路、1983年8月に発生した台風6号とよく似ていることが判明した。

 

 27日午後3時現在、台風12号は小笠原諸島の父島付近を北東方向に向けて時速25キロで進んでいる。中心気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速40メートル、最大瞬間風速は55メートルで、中心から半径130キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いているほか、南東側500キロ以内は15メートル以上の強風域となっている。

 

 今後、台風は速度を上げながら、次第に北西のちに西寄りに進路を変えて、あす午後には関東甲信地方にかなり接近し、29日明け方までに東海地方または西日本に上陸する見込みで、その後は減速しながら西日本を西へ進んでいくと予想される。

 

 東日本付近では、台風接近前から台風周辺の雨雲と湿った大気の影響で、非常に激しい大雨となる見通しで、29日にかけて局地的に1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがある。

 

 29日正午までに予想される24時間雨量は、多いところで▽関東甲信地方300〜500ミリ、▽東海地方300〜400ミリ、▽近畿と中国地方200〜300ミリ。28日前後は年間で最も潮位が高くなる大潮にあたるため、台風が接近する時間帯や満潮の時間帯を中心に高潮のおそれがあるため、沿岸地域では厳重な警戒が必要だ。

 

 気象庁によると、台風12号の予想進路付近の海面水温は28℃以上と平年に比べて2℃以上高いため、急速にエネルギーを蓄えながら、本州に接近・上陸すると予想されることから、自分が住んでいる市町村のハザードマップを参考に、早めの避難準備をしてほしい。

 

 一方、防災科学技術研究所は27日、今回の台風12号の予測進路と類似した過去の事例を発表した。それによると1983年8月15日に伊豆諸島の三宅島付近を西進した台風6号は、三重県の志摩半島に上陸。ほぼ同時期に通常の北東へ進むルートで接近した5号にのみ込まれるという珍現象が発生。大雨によって建物の全半壊・流失156棟、床上・床下浸水6000棟超の被害を出したほか、死者・行方不明者3人の犠牲もあった。

 

 

 また、気象研究所の荒木健太郎研究官によると、1966年8月の台風14号や、2016年8月の迷走台風10号も西寄りに進んだ記録が残っている。

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