気象

大型ハリケーン・ヘクター 勢力衰えずハワイ沖通過「越境台風」になる可能性は?

 大型ハリケーン・ヘクターは、カテゴリー3の強い勢力を維持したまま、現地時間8日、ハワイ島の南方沖を通過した。週末にかけてミッドウェー島近海に到達する見通しで、経度180度線を超えて気象庁の観測範囲に入れば、「越境台風」に変わることになる。

 

 米海洋大気庁(NOAA)のハリケーンセンター(NHC)によると、日本時間9日正午(ハワイ時間8日午後5時)、ヘクターはハワイの南西沖約380キロ、オアフ島の南東約520キロを時速26キロで通過した。

 

 現在の中心気圧は959ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は時速185キロ(51メートル/秒)。米国ではハリケーンの強さを1分間の最大風速をもとに5段階に分類しているが、その区分に従うと、ヘクターはカテゴリー4から3に勢力を弱めたものの、依然として大型ハリケーンのままだ。

 

 当初、ハワイ島ではキラウエア火山の影響から、ハリケーンの接近によって、火山ガスが雨と混じって酸性雨を降らせる危険性が懸念されていたが、ヘクターの影響は、雨よりも高波や高潮のほうが大きかった。NOAAや地元メディアによると、ハワイ島の東側の沿岸では、4〜5メートル近い高潮が発生して浸水被害をもたらす可能性があったことから、警報が発令され、3つのビーチが閉鎖されたという。

 

 NHCの予測では、ヘクターは進路を西向きから北西寄りに変えながら移動を続け、週明け13日にはミッドウェー島の南方沖に接近する見通しだ。

 

 ミッドウェー島は北緯28.3度、西経177.22度に位置しているが、これより西の経度180度線を超えると、日本の気象庁の観測対象範囲になって、「越境台風」に変わる。

 

 かつては非常に珍しい気象現象だったが、近年増加傾向にあり、2013年から2015年にかけては3年連続で発生。とくに2015年7月13日に西経179.3度で発生した台風12号(国際名「ハロラ」)は、南鳥島近海で熱帯低気圧に弱体化した後、再び台風に発達(=復活台風)。発生から2週間近く過ぎた7月26日に長崎県に上陸して熱帯低気圧に変わるという「越境・復活・日本上陸」の3つを経験した史上初の台風になった。

 

 ヘクターが越境台風になるかは現時点では不明だが、ヘクターの移動海域の水温が高い状態を維持していれば、その可能性もあるだろう。

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