歴史

日本一「マッチョ」な男は“渥美半島”にいた!縄文人800人比較

 3万年前に日本列島に渡来したと考えられている「最初の日本列島人」について調査している国立科学博物館などの研究チームは、全国各地の遺跡から出土した約800人分の縄文人の腕の骨を分析した結果、愛知県の渥美半島に住んでいた男の上腕骨が「最もマッチョ」であると結論付けた。

 

 人間の手足は、運動レベルによって太く成長する傾向があり、なかでも約1万6000年前から約3000年前に列島に縄文文化を築いた我々の祖先は、現代人に比べて太くがっしりした骨を持っていたことが知られている。

 

 しかし、同じ縄文人のなかでも、時代や地域によって差があることから、国立科学博物館の海部陽介・人類史研究グループ長らは、沖縄から北海道で出土した797人分の縄文人の上腕骨の太さを比較。その結果、内陸平野より、海岸付近に住んでいた集団のほうが太い上腕骨を持っていたことが判明した。

 

 このうち最も太い腕を持っていたのは、渥美半島突端に位置する田原市の「保美(ほび)貝塚」で出土した男であることがわかった。

 

 保美貝塚は、免々田(めめだ)川の西側に位置し、1キロほど川を下ると渥美湾に出られることから、海で丸木舟を漕いで魚や貝を採る生活が、上腕骨の極端な発達をうながしたと考えられている。

 

 保美貝塚から出土した22体分の上腕骨は、縄文から弥生〜古墳時代まで含めた比較でも最上位を占める一方、保美女性の骨は近隣集団と変わらなかったことから、これは男性のみの現象であることも明らかになった。

 

 さらに、保美貝塚からは、今の奈良県と大阪府にまたがる二上山で採掘される「讃岐岩(サヌカイト)」という鉱物が見つかっているなどの事実から、保美貝塚の人たちは、渥美半島にあった近隣集団と違って、積極的に外海(遠州灘)へ漁に出て、海上物資輸送を行っていた可能性があるという。

3万年前の航海 徹底再現プロジェクトとは?

 海部さんら国立科学博物館では、日本列島に渡った祖先である日本人の知られざる姿とルーツに迫るため、【3万年前の航海 徹底再現プロジェクト】を立ち上げて、2019年に台湾から与那国島へ手漕ぎ舟で目指す実験航海に挑戦する。プロジェクト支援のためのクラウドファンディングも実施中だ。

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