宇宙

火星:史上最悪の砂嵐「3カ月ぶりに終息」探査機は復活するか?(動画)

 火星で発生中の大規模な砂嵐が、ようやく終息する兆しを見せている。米航空宇宙局(NASA)は2カ月以上、休眠状態が続いている無人探査車「オポチュニティ」との通信を復活させるための計画を発表した。

 

 観測史上最大規模の砂嵐が見つかったのは今年5月30日。当初は局地的だったが、あっという間に拡大して、約3週間のうちに、北極と南極をのぞいて、惑星全体が赤茶色の砂嵐に飲み込まれ、地表には太陽光が完全に届かなくなった。

 

 この打撃をモロに食らったのが火星探査車オポチュニティだ。2004年1月から15年近く探査を続けるなかで、今回の砂嵐は最も規模が大きく、6月10日を最後に通信が途絶えてしまった。原因は太陽光発電ができなくなり、バッテリーが残り少なくなったことで、「ミッションクロック」以外のすべての機能がシャットダウンしてしまったから。

 

 このミッションクロックは、定期的に探査車を起動させて電力残量をチェックし、地球への通信が可能かどうかを判断するための機能だ。NASAによると、2007年に2週間砂嵐が続いたときは、オポチュニティの双子の探査車「スピリット」がバッテリー不足で温度調節機能がシステムダウンを起こして「凍死」しているため、そのときを上回る今回の砂嵐で、オポチュニティが最期を迎えてもおかしくないという。

 

 NASA・火星探査プロジェクトチームのジョン・カラス(John Callas)マネージャーは、火星の大気に含まれる微粒子の濃度を示す「タウ・レベル」が一定量まで下がったら、NASAが開発した「深宇宙通信情報網(ディープ・スペース・ネットワーク)」の巨大なパラボラアンテナを利用して信号を送り、オポチュニティが再起動するよう試みる計画を明かした。「オポチュニティがいるクレーターのまわりの谷では、大気中の微粒子が少なくなってきて、太陽光発電できるレベルにまで晴れてきています。もうすぐ目覚めます」

 

 楽観的に聞こえるが、大気中の微粒子濃度が低下しても、それから先45日間、通信ができないようであれば、オポチュニティの太陽光パネルは大量に積もった砂塵によって自家発電できない状態だと覚悟しなければならないという。

 

 しかし、研究チームは最期まで諦めない。「太陽光パネルが砂まみれになっている可能性は低いと思うが、つむじ風が起きれば、パネルの上に積もった砂塵がきれいさっぱり吹き払われるかもしれない。これからも辛抱強くオポチュニティの目覚めを待ち続けるつもりだ」(動画は2017年に火星で起きたつむじ風=「Dust Devil」と呼ばれるが、太陽光パネルを掃除してくれるなら、呼び名を「悪魔」から「神」に昇格させてもいいという)

 

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