健康問題

「捨てないで!」チーズやヨーグルトの「乳清」に認知症予防成分を発見

 健康のために、ヨーグルトを食べる習慣がある人は多いが、パックを開けると上澄みのような液体が溜まっていることにお気づきだろうか?「乳清(ホエイ)」と呼ばれるこの液体に、認知症予防の効果があることを東京大学などのチームが発見した。今後、日常的に摂取しやすい食品開発に結びつく研究成果だとして期待されている。

 

 乳清とは、牛乳から乳脂肪分やカゼインなどのたんぱく質を取り除いたあとに残る液体のこと。ヨーグルトの上澄みのほかにも、チーズを製造するときに大量にできるが、使いみちがないので廃棄処分されることが多かった。しかし、ビタミンやカルシウムなどの栄養分が豊富であることが明らかになったことから、有効活用する方法が求められている。

 

 東大大学院の中山裕之教授と学習院大学、キリン健康技術研究所の合同チームは、チーズの乳清に着目。中山教授は3年前、マウスに市販のカマンベールを与える実験を行って、アルツハイマー病の原因物質「アミロイド・ベータ」が脳内で減少することを突き止めたが、チーズのどの成分に効果があるのかはわからなかった。

 

 そこで、乳清のたんぱく質を酵素で分解してできた複数のアミノ酸をマウスに与え、1時間後に迷路を歩かせる比較実験を行った。空間認知能力がアップしたアミノ酸について詳しく分析した結果、特定の結合配列を持つペプチドの特定に成功したという。

  

 これらのペプチドは、脳の神経伝達物質を老化させる働きを抑えて、海馬のドーパミン量を増やし、記憶や空間学習能力を改善させる効果があることも確認されたという。

 

 また市販されているさまざまなチーズを調べて、ペプチドの含有量を比較したところ、英国原産のスティルトンをはじめ、フランスのブリーやフルム・ダンベールといった青カビ系の発酵チーズに多く含まれていることも明らかになった。

 

 日本人のなかには青カビチーズが苦手な人も多いが、研究チームは今回の研究成果を受けて、ペプチドを使った日常的に摂取しやすい認知症予防食品の開発に結びつけたいと期待している。

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