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世界最高1200テスラ!超強力磁場が実験室の扉を爆破!東大(動画)

 東京大学物性研究所のグループは、1000テスラを上回る強力磁場の発生装置の開発に成功した。磁場の強さが世界最高の1200テスラに到達した結果、実験室内で爆発が起こり、扉が爆破された!

 

 半導体や電気抵抗をゼロにする超伝導技術など、さまざまな研究開発に欠かせない磁場は、電気の流れと回転によって制御される物理環境だ。

 

  磁場の強さを示す単位には、テスラ(T)が使われていて、1Tは10000ガウス(G)。地球の磁場(地磁気)が約2万分の1テスラ程度といわれることから、1200Tはその2400万倍に相当する強力な磁場だ。

 

 東大の嶽山正二郎教授と松田康弘准教授のグループは、鉄製のコイルを巻いたものの内側に金属の筒をセットし、コイルに2〜400万アンペアの大電流を瞬時に流して、金属筒を高速で圧縮させる方法で、強力な磁場を発生させる装置を開発。

 

 2011年の実験では730テスラ、今年1月には985テスラを発生させることに成功したが、今回の実験では、より放電能力が高いコンデンサ電源を作り上げ、最大充電電圧を50キロボルトに引き上げることに成功。

 

 コンデンサから放電された電流は、480本の高電圧ケーブルを通じてコイルに集まり、実験開始から40.7マイクロ秒(マイクロ秒=100万分の1秒)で最高強度の1200テスラに到達。解析の結果、金属筒は、磁場を閉じ込めたまま、秒速5キロで直径10センチから1センチに収縮して超強力磁場を発生させたことがわかった。

 

 これまで1000テスラの磁場を発生させるには、大量の爆薬を爆発させる方法しかなく、旧ソ連のシベリア平原や米国ロスアラモスなどの野外で実験が行われてきたが、再現性がないため、精密なデータを得ることはできなかったという。

 

 

 今回、1000テスラの磁場を安定して発生できる装置を開発したことで、物質のなかの電子の運動を1ナノメートルスケールに閉じ込めたり、非常に重たい電子を制御できるようになることから、今後、超高圧や極低温など極限の環境下での研究が可能になり、物質の未知の機能の発見に結びつくとして期待されている。

 

 なおこの研究成果は、米物理学協会が発行する科学誌『Review of Scientific Instruments』に論文が掲載された。

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