防災知識

「普段使いできる!」大学生が考えたオシャレ防災袋 6色展開 大阪市立大

 北海道や大阪の地震に加え、度重なる台風や豪雨被害に見舞われた今年は、災害に対する日ごろからの備えの重要性を再認識させられたもの。大阪市立大学のマーケティング専攻の学生は、熊本地震の被災地で聞き取り調査を行って、日常的に親しみやすいデザインの防災バッグを開発した。リュックから箱型に変形するので、インテリアとしても取り入れやすく、カラーも6色展開する充実のラインナップだ。

 

 大阪では今年6月、北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、近隣の京都や滋賀県、奈良県、兵庫県など広い範囲で揺れが観測されたばかり。

 

 商学部の田村晃二准教授のゼミが、同大学の学生306人を対象に防災に関するアンケートを行ったところ、危機意識はあるものの、ほとんどが防災袋を持っていないことがわかった。同大学は、将来高い確率で発生する南海トラフ巨大地震の被害想定地域にも含まれており、地震が発生した場合、周辺住民が被災することは確実だ。

 

 3年生が中心となって、熊本地震や阪神淡路大震災の被災地・神戸に足を運んで聞き取り調査を実施。その結果、従来の防災袋のほとんどは部屋に置くと違和感があったり、邪魔になることからしまい込まれ、いざというときに持ち出すことができなかったことが判明した。

 

 そこで、オシャレさとコンパクトさを兼ね備えたバッグの開発を開始。素材は、「丈夫で軽いキャンバス地(帆布)」を選び、デザイン・縫製のすべてを大阪で手がけるオリジナルバッグブランド「ichimaruni」に協力を依頼した。

 

 デザイナーと話し合いを重ね、企画立ち上げから1年が過ぎたこの春、防災袋「AIR POST」が完成した。ふだんはコンパクトなボックス型の収納ケースだが、被災時にはボックス内に折りたたまれた肩紐を引き出して長さを調整し、上部のボタンを留めればリュックサックに早変わり。

 

 色はレッド、マスタード、ネイビー、オリーブグリーン、ガンメタグレー、ピンクの6色展開と、一般的な防災袋のイメージを覆す豊富なバリエーション。

 

 市販の防災袋の相場は約1万4000円だが、持ち出し品と備蓄品を厳選した結果、学生にも購入しやすい9980円の販売価格を実現するのに成功した。販売時には、大阪・浪速区の「上野砂糖」が開発した少量で高い栄養価と満腹感を得られる焚黒糖や、防災の専門家が協力・監修した災害時の行動マニュアルなどが内袋に収納されている。避難所に物資が届くまでの二日間を生き延びる必要最小限のものだが、余裕があるので、それぞれ必要なものを自分で入れることもできる。

 

 商品企画に携わった現4年生の池田聖(さと)さんは「家の目につくところに置いておくだけでも防災意識を高めることができます」と出来栄えに自信をうかがわせている。購入希望者は大阪市立大学の生活協同組合に連絡をしてほしい。売り切れ必至の人気アイテムだ。

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