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死の回転!ナイルワニが振りまわす「世界一怖いもの知らず」の猛獣 南アフリカ(動画)

 南アフリカで「世界一怖いもの知らず(the most fearless animal)」とギネスブックに登録された動物をご存知だろうか?コブラのような毒蛇に咬まれても、一時的に動けなくなるだけで数時間後には回復し、ライオンの牙や鉤爪も分厚い皮で跳ね返す。水牛のような大型動物にはスカンク顔負けの臭い液体を噴射して追っ払うイタチ科の動物、ラーテルだ。

 

 蜂の巣を襲ってハチミツや幼虫を食べることから、「ハニーバジャー(ミツアナグマ)」という異名を持つが、繁殖期になれば手当たり次第なんでも襲うため、畜産業者や養蜂業者からは害獣だとみなされている厄介者。

 

 南アフリカ北東部のクルーガー国立公園では今年初め、野生動物専門の写真家シェイラ・グロベラーさん(Sheila Grobbelaar)が、浅瀬に潜むナイルワニの存在に気づいた。名前の通りナイル川に生息する大型ワニで、古代エジプトでは信仰の対象となっていたが、近年、ワニ革を狙った乱獲や、開発による生息地の破壊が原因で、個体数が減少しており、エジプトでは1970年代に一度絶滅している希少生物だ。

 

 さっそくその姿をカメラに収めようとカメラを構えたシェイラさん。レンズを向けながら「ナマズでも食べているのかな」と思った瞬間、ものすごい早さでワニが体を起こし、くわえていた何かを水辺に思いっきり打ちつけた!

 

 バチンバチン!とムチ打つような音に恐怖を覚えながら目を凝らすと、力強いアゴでガッチリつかまれた黒い物体はラーテル。鋭い牙がしっかりと食い込んでいるにもかかわらず、死なばもろともとでも言うように、最期の抵抗を試みて暴れている。

 

 

 水辺の猛攻を撮影しながら、いつのまにか1時間以上が経過していることに気づいたシェイラさんは、後ろ髪をひかれながら、その場を後にし、次の仕事場に移動した。しかし30分後に急いで戻ったときには、ワニは陸地に上がって、肉の塊と化したラーテルをたいらげている最中だった。

 

 ラーテルの頭から背中にかけて覆う白い体毛部分の皮膚は、非常によく伸びる反面、よろいのような硬さをあわせ持つことから、南アフリカでは戦車「ラーテル歩兵戦闘車(Ratel IFV)」の名前にも採用されているほか、米国ではハニーバジャーと自動小銃も作られたほど、タフで知られる。

 

 専門家によると、ワニがラーテルのような厄介者を仕留めるときには、獲物をくわえながら自分の体ごと回転する「デス・ロール」戦法で息の根を止めるというが、空中でブンブン振りまわすこのやり方の方がその名前にふさわしいようだ。

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