医療技術

歯周病「米の成分」で予防効果 新潟大学院生らが発見 新薬開発へ期待

 今や日本人の8割近くが歯周病の問題を抱えているといわれるなか、新潟大学大学院生らのグループは米の成分に、歯ぐきの骨の減少を抑制する効果があることをマウスの実験で発見した。日本人の食文化に馴染みがある米が、歯周病予防の治療薬開発に結びつくとして注目されている研究だ。

 

 日本の中高年の多くが発症している歯周病は、国民病のひとつ。歯肉の炎症から始まって徐々に深刻化。歯と歯肉の境目の歯周ポケットが深くなると、歯がぐらつくようになり、最終的に歯と歯ぐきを支える歯槽(しそう)骨が吸収されてしまうと、歯そのものを失うことになる。自分の歯で食品を噛めなくなることは、体全体の健康にも影響を及ぼしかねないが、現在の医学では吸収された歯槽骨の回復は極めて困難だ。

 新潟大学大学院生の田村光歯科医と寺尾豊教授らのグループは、米から抽出した15種類のペプチド(アミノ酸加工物)を歯周病のマウスに投与した結果、9番目と11番目のペプチドは、骨の炎症を抑え、骨を吸収する破骨細胞の数を減らす働きをすることを突き止めた。

 

 グループは「日常的に食べる米であれば安全な治療薬が開発できるうえ、現在使われている抗生物質の乱用を抑えることにも結びつく」として、今後は新潟に拠点がある米の関連企業と連携して、新薬開発につなげたいと期待している。

 

 なおこの研究成果は、国際学術誌『アーカイブス・オブ・オーラル・バイオロジー』に掲載された。

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