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「お腹の赤ちゃんが動いた」2つの子宮内を移動するサメ 沖縄の水族館がとらえた!世界初

 

 妊娠すると女性は「お腹のなかを赤ちゃんが蹴る」胎動を感じるというが、沖縄美ら海水族館の研究チームは、サメの腹のなかで赤ちゃんが2つの子宮を移動するようすを、世界で初めてとらえることに成功した!

サメの仲間は繁殖方法がさまざま

 私たち人間と同じほ乳類であるイルカやクジラは子供を産んで育てるが(胎生)、姿形が似ているサメは魚類だ。しかし、繁殖方法はさまざまで、母ザメから卵が生み出される卵生と、赤ちゃんザメを生む胎生の両方が存在する。

 

 沖縄美ら海水族館が2006年に初めて繁殖に成功した「オオテンジクザメ」は「卵食型の胎生」といって、お腹のなかの赤ちゃんザメは母親が子宮内に産んだ無精卵を栄養源として、ある程度の大きさに成長することが知られているが、その生態は謎が多い。

より多くの栄養をとるために

 同水族館の魚類チームは、自分たちが開発した水中エコー技術を使って、妊娠したオオテンジクザメの定期健診を行った結果、子宮内の赤ちゃんは生まれる前から泳ぐ力があって、左右の子宮の間をひんぱんに動いていることが明らかになった。

 

 この行動について冨田武照さんらのチームは「赤ちゃんが子宮内でより多くの栄養卵を食べるための可能性が高い」と推測している。サメの赤ちゃんが左右の子宮を利用する行動を確認したのは、世界で初めてで、今後の繁殖研究に役立つ成果だとしている。

 

 ユニークなことに、研究チームは母サメの子宮頸部がときどき開いて、赤ちゃんがそこから頭を出すようすもとらえたという。これは言い換えれば、生まれる前にお腹のなかから外の世界をのぞき見しているようなもので、出産まで母体内でしっかりと保護されているほ乳類では信じられない行動だ。

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