地震

メキシコ沖M8.2地震「プレート全体を破壊!」被害激化のおそれ 京大

 2017年9月にメキシコ沖の太平洋で起きたマグニチュード(M)8.2の巨大地震について、京都大学防災研究所や米オレゴン州立大学などの国際共同研究グループは、「大陸の下に沈み込むプレート内のほぼ全部が破壊された可能性」を突き止めた。日本周辺でも、プレートの沈み込み帯で発生する地震が、従来の想定よりはるかに大きくなる可能性に結びつく研究だという。

 

 2017年9月8日、メキシコ南部チアパス州の沖合で発生したM8.2の地震が発生。中米一帯で最大70センチの高さの津波が発生し、同国内では倒壊した建物の下敷きになって200人以上が死亡した。

沈み込むプレートほぼ全体を破壊

 京大防災研究所のエマニュエル・ソリマン・ガルシア特定研究員やオレゴン州立大のディエゴ・メルガー助教らのグループは、周囲で観測された地震動や地殻変動のデータを使って再解析した結果、断層の広がりが、これまでの想定より、はるかに深くまで到達していたことが判明した。

 

 これは、プレートが沈み込んでいる海溝よりも海側で地震が発生したことが原因で、断層に沿って海水がプレート内部に移動したために、水を含んだ岩石ができた。この鉱物がプレートの沈み込みと一緒に地下深くに運ばれ、高温や高い圧力を受けると、岩石内の水が脱水。プレート内の強度が弱くなって、破壊が進んで、沈み込んでいるプレート内のほぼ全体が破壊された可能性があるという。

昭和三陸地震でも…

 メキシコ沖地震のような地震は、日本の沿岸部でも起きている。1933年3月3日に岩手県釜石市の沖合200キロで起きたM8.1の「昭和三陸地震」では、海抜28メートルを上回る高さの大津波が襲来し、死者・行方不明者約3000人の被害を引き起こした。

 

 今回の研究成果について、グループは「沈み込むプレート内で発生する地震の規模は、従来の想定よりも深部まで破壊が広がり、それに伴って、津波が大きくなる可能性がある」として、被害評価の見直しの必要性を指摘している。

 

  なおこの研究成果は2018年10月、科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に掲載された。

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