感染症

夢のインフルエンザ薬「ゾフルーザ」薬が効きにくくなる耐性ウイルス発見

 国内のインフルエンザ患者の数が200万人を超えて、全国的に猛威を振るうなか、国立感染症研究所は24日、抗インフルエンザ治療薬として承認されたばかりの「ゾフルーザ(バロキサビル製剤)」が効きにくくなる耐性変異ウイルスが見つかったと発表した。

 

 商品名「ゾフルーザ」で知られる「バロキサビル製剤」は、塩野義製薬が開発し、2018年2月23日に承認され、翌3月14日に販売を開始した抗インフルエンザ治療薬。

 

 インフルエンザの治療では現在、内服薬の「タミフル」「リレンザ」と、吸入薬の「イナビル」「ラピアクタ」の4種類が一般的だが、これらは「ノイラミニダーゼ阻害薬」と言って、患者の宿主細胞内で作り出した新たなウイルスが、細胞の表面から放出するのを抑える機能を持つ。

 

 一方、「バロキサビル製剤」は、これらとは異なり、細胞内で新たなウイルスを作り出すために必要な酵素(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ)を阻害する仕組みだ。

 国立感染症研究所は昨年12月、インフルエンザの集団感染があった横浜市の2カ所の小学校で、6〜7歳の児童4人から採取したウイルスの検査を実施。4人のうち1人は、検査の二日前にタミフル、残る3人は、検査の前後3日以内にゾフルーザを投与されていた。

 

 4人のウイルスを遺伝子解析したところ、ゾフルーザを投与された後に検査を受けた児童2人から採取したウイルスでは、ウイルスが持つタンパク質の特定のアミノ酸に、薬が効きにくくなる「耐性変異」が起こっていることが明らかになった。この2人のウイルスは異なる遺伝子配列を持っていることから、ゾフルーザを投与したことで、それぞれの患者の体内で起こった可能性が高いという。

 タミフルを投与されたり、検査後に薬を投与された2人の児童から採取したウイルスと比べると、耐性変異があるウイルスは、ゾフルーザの効果が大きく低下したという。

 

 ゾフルーザは1回の服薬で治療が完了することから、5日間服用を続けたり、吸入しなければならない従来の薬と比べて画期的だと注目されたが、一方で臨床試験では、耐性変異ウイルスの検出率が12歳以上で9.7%、12歳未満で23.4%と高くなることが指摘されていた。さらに、耐性変異ウイルスが検出された患者では、ウイルスの感染力が高まるという結果も出ていることから、完治するまでの期間が長くなる懸念もあるという。

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