宇宙

市販の望遠鏡で大発見!太陽系最果ての極小天体 開発費わずか350万円

 元国立天文台の研究員らのグループは、太陽系の最果てにある直径2キロあまりの天体を、市販の小型望遠鏡で発見することに成功した。ハワイのすばる望遠鏡のような巨大望遠鏡でも直接観測できなかったサイズの極小天体だという。

 

 地球を含む太陽系の惑星は、太陽系が誕生したときに、大量の小さな天体が衝突と合体を繰り返して、現在の大きさに成長したと考えられている。

 

 一方で、最も太陽から離れた海王星の外側の「カイパーベルト」と呼ばれる宇宙空間には、惑星成長から取り残された天体が多数存在していると考えられているが、それらは、直径20キロ以下とあまりにも小さいため、最先端の望遠鏡を使っても直接観測することはできなかった。

開発費350万円!市販の望遠鏡で…

 元国立天文台研究員で、現在は京都大学に所属する有松亘さんらのグループは、市販の直径28センチの小型望遠鏡に高速ビデオカメラを装着する方法で極小天体を観測するシステムを開発。

 

 2016年から2017年の夏にかけて、沖縄県宮古島に設置した2台の望遠鏡を、天の川の方向の同じ領域に向けて観測。約60時間にわたって約2000個の恒星を記録した動画をモニターした結果、2016年6月28日午後9時56分に、ある一つの恒星が0.2秒間だけ、最大80%ほど暗くなった瞬間をとらえた。

 詳しい解析の結果、地球から約50億キロ離れたところにある直径2.6キロの極めて小さな天体が恒星の前を通ったために、光を遮ったことで起きた現象だと判明した。カイパーベルトには、これまでに約2000個の天体が発見されているが、いずれも直径20キロ以上のサイズを持った比較的大きな天体で、今回のような極小の天体の発見は世界で初めてだという。

 

 世界に名だたる巨大望遠鏡でもまったく歯が立たなかった極小天体の発見を叶えた技術は、わずか350万円の低予算で開発された。グループによると、これは複数の国が共同参加する国際プロジェクトと比較しても、およそ300分の1という破格の開発費だというから驚きだ。

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