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発生率2%!頭が結合して生まれた双子 生後10カ月で分離 米国(動画)

 米国ノースカロライナ州で、頭の一部がくっついている非常に珍しい結合双子が生まれた。エリンとアビーと名付けられた女の赤ちゃんは、生後10カ月で11時間余りに及ぶ分離手術を経験。いまも定期的に健康チェックを受けているが、順調に回復を続けているという。

 

 双子は2016年7月、ヘザー(母)とライリー(父)・デラニー夫婦のもとで誕生した。出産前から超音波検査によって、双子の頭部が通常よりも近くにあることは指摘されていたが、専門家が調べた結果、頭頂部にあたる「頭蓋冠」が結合して、脳の一部を共有している可能性があることがわかった。

結合双子のうち頭部結合は2%

  夫婦はフィラデルフィア小児病院の医療チームによると、結合双子の発生確率は、5万〜6万件の出産あたり1回で、ほとんどが死産だ。向かい合った状態で胸やお腹がつながって生まれる症例が75%と最も多いが、心臓を共有している場合、生存は絶望的だ。次いで下半身が結合している症例が23%で、今回のような頭部の結合はわずか2%だという。

 

 専門家の勧めを受けたデラニー夫妻は、1957年以来、23組の結合双子の分離手術の実績があるフィラデルフィア小児病院に向かって11時間車を飛ばした。そこでさまざまな検査を行った結果、双子にはそれぞれ脳を持っているが、静脈の一部を共有している可能性があることが判明。分離手術を行った場合、片方が死亡するか、両方を失うリスクがあると説明を受けた。

 

 

半日に及ぶ大手術

 生後10カ月以上経過した2017年6月6日、脳神経外科医、整形外科医など30人体制による分離手術が始まった。予想通り、脳組織の一部や血管は共有されていた。これらを分離し、脳を取り囲む外膜を人工素材で再建し、あらかじめ拡張させておいた皮膚を縫合。手術終了までほぼ半日かかったという。

 

 手術は無事成功したが、少女たちが退院できるようになるには、さらに半年近くかかった。生後485日たって、ようやくノースカロライナ州の自宅に戻った現在、病院は「順調に回復している」として、医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』にこれまでの経緯を公表した。

現在2歳半

 現在2歳半のエリンとアビーはこの先も足りない部分の骨の交換や、傷跡を目立たなくするための追加の整形外科手術を受ける必要があるが、奇跡的に健やかな成長を続けているという。

 

 母親のヘザーさんは「重い障害を持って生まれた娘たちが、この先、障害を克服しながら成長していくようすを、母親として最前列で見守っていけるのはとても嬉しいです」と話している。

 

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