歴史

謎のデニソワ人 ネアンデルタール人と共同生活!シベリアの洞窟で証拠発見

 現在の人類の祖先にあたるネアンデルタール人が、シベリア南部の山の中の洞窟で、新たなヒト属集団のデニソワ人と共同生活をおくっていた可能性が明らかになった。デニソワ人は約4万1000年前までこの洞窟遺跡に住んでいた旧人類だと考えられているが、発掘された骨や歯の数はわずかで、謎に満ちている。

洞窟に住んでいた謎のデニソワ人

 デニソワ人の遺跡が最初に見つかったのは2008年。ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所などの国際共同チームが、ロシア・西シベリアとモンゴルにまたがるアルタイ山脈のふもとにある洞窟を調査中、ヒトの小指の骨を発見した。

 

 放射性炭素年代測定やDNA解析の結果、約4万1000年前に生きていた5〜7歳の少女のものだと推定され、64万年前にネアンデルタール人から進化した、極めて近縁種の旧人類だと判明した。

2つの人種から生まれた少女デニー

 豪州ウロンゴン大学のゼノビア・ジェイコブス教授が率いる国際チームは2018年、洞窟内で見つかった新たな遺跡から、ネアンデルタール人の母親とデニソワ人の父親を持つ10代の少女の骨を発見した。

 

 「デニー」という愛称をつけて、放射性炭素年代測定法よりもさらに古い時代が測定できる光ルミネッセンス技術で調べたところ、少女は約10万年前に生きていたことが明らかになった。ふたつの旧人類が交雑していたことを示す最初の証拠だ。

もしかしたら3つの人類が同居?

 また、マックス・プランク研究所のカテリーナ・ドウカ博士らのチームは、新たに見つかった骨や歯、石器などを調べ、デニソワ人がこの洞窟に住んでいたのは、約19万5000〜5万2000年前だと推定した。このうち、骨を削って先端を鋭く尖らせた尖頭器と歯のペンダントは4万9000年〜4万3000年前に作られたもので、ユーラシア北部で発見された人工物としては最古のものだという。

 

 研究チームは「このペンダントと尖頭器は、ヨーロッパで見つかった現生人類が作ったものと酷似しており、この洞窟にはネアンデルタール人、デニソワ人のほか、ホモ・サピエンスも住んでいたかもしれないと示唆している。

 

 なおこの研究成果は科学誌『ネイチャー』に1月30日付で発表された。

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