健康問題

気圧の変化「耳の中で感じていた!」気象病や天気痛の治療へ 中部大

「雨が降ると古傷が痛む」「頭痛がする」など、天気の崩れが体調に影響したり、病気を悪化させたりすることは、「気象病」や「天気痛」などと呼ばれるが、そのメカニズムは解明されておらず、何にも感じない人からは「気のせいでは?」と片付けられることがある。

 

 中部大学の研究グループはマウスを使った実験で、耳の最も内側にある器官が、気圧の変化を感じる場所であることを世界で初めて突き止めた!

40hPaの気圧の変化を体験

 この研究は、中部大・生命健康科学部の佐藤純教授と、愛知医科大学、日本獣医生命科学大学との共同グループによるもの。グループは、人工的に気圧を変えられる装置にマウスを入れ、10分間かけて気圧を1013ヘクトパスカルから973ヘクトパスカルへ低下させる実験を実施。この状態を30分間維持したのち、さらに10分かけて元の気圧に戻した。

 

 その後、マウスから脳を摘出して、内耳にある平衡感覚をつかさどる前庭器官の神経細胞の活動を観測した結果、細胞内で「c-Fos」という特殊なタンパク質が増えることを発見した。この細胞は、「三半規管」からの感覚情報が集まる部分にあるもので、気圧の変化を与えていないマウスでは、タンパク質の増加は見られなかったという。

気象病の治療法開発へ

 

 佐藤教授は以前から、天気の崩れで気圧が下がると、内耳がその変化を感じ取って脳に伝え、その結果、体調不良をまねくという仮説を提唱してきたが、今回の実験成果によって、本来は平衡感覚をつかさどる三半規管に、気圧を感じ取る機能があることがわかったという。

 

 今後は、どのようなメカニズムで気圧の変化を感じ取るのかを明らかにすることで、気象病や天気痛の治療法を確立させたいと期待を寄せている。なおこの研究成果は、米科学誌『PLOS ONE』に1月25日付けで発表された。

 

 

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