環境

ほ乳類では世界初 気候変動が原因でネズミが絶滅 豪州

 オーストラリア政府は20日、同国北東部のグレート・バリア・リーフの島に生息するネズミが絶滅したと発表した。人為的な気候変動が原因だとみられており、地球温暖化によって絶滅したほ乳類としては最初のケースだという。

 

 豪州のメリッサ・プライス環境相によると、絶滅したのは、パプアニューギニアに近いクイーンズランド最北端の沖合に浮かぶブランブル・ケイ島原産のネズミだ。

復活プロジェクトは失敗

 クイーンズランド州やWWF(世界自然保護基金)によると、このネズミが住む島は、海抜が3メートル未満と低いことから、海面上昇による浸水や高潮の被害に遭うリスクが高いとされており、2008年時点で生息数は100匹以下に減少。

 

 最も深刻な絶滅危惧種に指定されていたが、2014年から2015年にかけて行った調査では、1匹も生存が確認されなかったという。同国政府は過去10年間にわたって「個体数復活プロジェクト」に取り組んでいたが、きょう「プロジェクトは失敗に終わった」と表明。

 過去、このネズミに関する研究論文を発表したチャールズ・ダーウィン大学のジョン・ヴォイナスキー(JohnWoinarski)教授は、現地メディアの取材に対して「政府当局は、いきものの絶滅について緊急性を理解していないのではないか」と非難したうえで、「豪州の生物多様性が失われた」とコメントしている。

 

 一方、WWFオーストラリアの広報官は、「ネズミの問題だけではない。オーストラリアは世界のなかでも絶滅が危惧されるほ乳類が最も多い国のひとつだ」として、種の保存や環境保護のために国が一丸となって取り組むべきだと訴えている。

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