健康問題

「かかとがスベスベに!」足の角質除去うたう商品 ヤケドや歩行困難に

 薬剤入りの袋に足を浸すと、角質が剥がれ、かかとがスベスベになるという宣伝文句で販売されているフットケア商品について、国民生活センターは7日、「ヤケドや痛みで一時的に歩行困難になった」などというトラブルがあいついでいるとして、注意を呼びかけた。

 

 これらのフットケア商品には、皮膚の表面を剥離させるケミカルピーリング技術に使われるヒドロキシ酸が配合されており、専門のエステティックサロンや皮膚科医などの医療機関でしか施術が許されていない。

 

 全国の消費生活センターには最近、酸を使ったフットケア商品による事故の報告があいついでおり、2013年4月から今年1月にかけて相談された件数だけで26件にのぼるという。

全治半年と診断された例も…

 相談者は若い女性だけではなく、2018年10月には60代の女性がドラッグストアで購入した商品を使った直後から、甲の皮膚全体がただれ(びらん)、皮膚が剥がれ落ちたという相談が寄せられている(写真上)。

 

 この女性は発症から6日後にようやく病院に行ったところ、化学やけどだと診断され、軟膏と解熱鎮痛消炎剤を処方してもらったが、その後も色素沈着や痛みが続いたので再度受診したと言う。

 

 さらに、2017年10月に北海道の40代の女性からは、ネット通販で購入した角質除去シートを専用の足型袋に敷いて履き、50分後に足を洗って就寝した結果、翌朝、足の指の間に水ぶくれができて、皮が剥けた。ガーゼを当てて出勤し、帰宅後に見ると人差し指の爪が剥がれていたので皮膚科を受診したら、化学やけどで全治半年と診断。

 

 また、神奈川県の30代の女性は、2016年にローションパックを使ったら、20分でヒリヒリし始めたので使用を中止。その1週間後に皮膚が剥け始めて地肌が露出し、歩行が困難になったと相談している。

5銘柄を商品テストしてみた

 国民生活センターは、大手インターネット通販や、東京、神奈川のドラッグストアなどで販売している5銘柄の商品について、成分分析や商品テストを実施。(使用テストの対象商品は表1を参照)

 

 その結果、1番目の商品では、ヒドロキシ酸の合計量が12.1%と高い含有率を示した。米国の食品医薬品局(FDA)が、化粧品として安全だと定めている10%を上回っている。また酸性かアルカリ性かを調べるテストでも、3つの商品が、pH3.5以上に達し、強い酸性を示したという。

 

 いずれの商品にも、足の裏の皮膚がボロボロに剥がれた写真が掲載されているが、国民生活センターの調査チームは「使用者にとっては、化学やけどによるトラブルなのか、薬剤による正常な効果なのか判断しにくい」と指摘している。

 

 日本化粧品工業連合会のガイドラインでは、「ケミカルピーリング」は、医療行為と定められており、化粧品などで使ってはいけない言葉だ。テスト商品では、この表現は見られなかったものの、ケミカルピーリング剤と同じ成分が配合されているうえ、「履くだけで驚くほど古い角質が剥がれる」などといった、誤解をまねく表現があることから、トラブルが続発する可能性がある。

 

 センターは、メーカー側に対して、配合成分の見直しや表示の改善を求めるとともに、消費者へは「酸を使ったフットケア商品で少しでも違和感があったら、使用を中止して医師の診断を受けてほしい」と注意を呼びかけている。

 

 藤田医科大学の松本佳世子教授は「皮膚の状態には個人差があるし、季節によって薬剤の効果も異なるため、ケミカルピーリングは皮膚科専門医でもコントロールが非常に難しい。市販品は、個人の皮膚に合わせて使うことが難しいため、人によっては強すぎたり、体調によってトラブルが起こる可能性もある」とコメントしている。

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