感染症

インフル新薬「ゾフルーザ」飲んでないのに…耐性変異ウイルス発見あいつぐ

 国立感染症研究所は12日、昨年承認されたばかりのインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ(バロキサビル)」を服用していない複数の患者から、あいついで薬が効きにくくなる耐性変異ウイルスが見つかったと発表した。

 

 商品名「ゾフルーザ」で知られる「バロキサビル製剤」は、塩野義製薬が開発し、2018年2月に承認され、翌3月から販売を開始した抗インフルエンザ治療薬だ。

 

 従来の治療薬は、内服薬の「タミフル」「リレンザ」と、吸入薬の「イナビル」「ラピアクタ」の4種類が一般的で、これらは5日間服用や吸入を続けなければならないが、「ゾフルーザ」は1回の服用で治療が完了するため、「画期的な夢の薬」だとして注目を集めていた。

家庭内感染か

 国立感染症研究所によると、2018年11月、三重県でインフルエンザと診断された12歳の患者から、今年1月には横浜市で、インフルエンザで入院中の5歳の幼稚園児から、それぞれゾフルーザが効きにくくなる耐性変異ウイルスが発見された。

 

 いずれもゾフルーザを服用してはおらず、横浜市のケースでは、インフルエンザ発症4日目にタミフルを投与され、熱が下がり始めたが、7日目に呼吸器症状があったため入院。通院していた幼稚園でインフルエンザの集団発生があったことから、ゾフルーザを服用したほかの園児から感染したことで、薬が効きにくくなる「耐性変異」を起こした可能性があるという。

 

 さらに、今年2月には東京都内で生後8カ月の乳児から耐性変異ウイルスが確認された。この赤ちゃんは発症翌日に38.9℃の高熱で医療機関を受診し、タミフルを投与した翌日以降に熱が下がったが、前日に兄がインフルエンザに感染し、ゾフルーザを投与されたことから、きょうだい間で感染した可能性が高い。

耐性変異ウイルスに感染すると罹病期間が長い

 国立感染症研究所が、3人から検出されたウイルスの遺伝子解析を行った結果、今シーズンに国内で検出された11人の耐性変異ウイルス感染患者のうち、8人の体内には、耐性変異ウイルスと、変異していないウイルスが混在していることが判明。さらに、このうち3人では、変異していないウイルスが消失して、すべて耐性変異ウイルスに置き換えられることも確認されている。

 

 昨年10月から1月にかけて、国内の医療機関に供給されたゾフルーザは約550万9000人分にのぼる。国立感染症研究所によると、今シーズン中、国内で見つかった耐性変異ウイルスが検出された患者は、生後8カ月から14歳までと、ほとんどが12歳未満の子供だ。

 

 耐性変異ウイルスが検出された患者は、一般的なウイルスに感染した患者に比べて、完治するまで時間がかかる傾向が高く、感染力が強い可能性があるという。

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