医療技術

「でべそ」だと思っていたら「がん」が飛び出した!スペイン

 スペイン・マドリードに住む73歳の女性は、「もう年だから」とメタボ気味の胴回りをあきらめていたが、最近では奇妙なことに、へそまで出っ張るようになった。ある日、激痛を訴えて病院を訪れたところ、なんと骨盤に大きなコブができているのが見つかった。進行中の卵巣がんだったという!

 

 米マサチューセッツ内科外科学会が発行する医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に今月14日に掲載された症例報告によると、この女性が自分のへその変化に気づいたのは約4カ月前。

 

 病院に救急搬送される二日前、へそから血膿が流れ出しているのを発見。気にはしていたものの、たいした量ではなかったので、消毒薬で殺菌してほおっておいたが、その後、激痛で苦しむ羽目になった。

 ジメネス・ディアス大学病院の消化器外科、ハビエル・バランビオ医師は、触診の結果、骨盤内に2.4センチのしこりがあると診断したが、CTスキャン検査の結果、しこりの大きさは縦横11センチ、奥行き9.5センチと、リンゴくらい大きいものであることが判明。

 

 患部の一部に針を指して顕微鏡で調べたところ、卵巣がんが転移した悪性腫瘍であることがわかった。バランビオ医師によると、へそにできるコブは、発見した看護婦の名前から「シスター・メアリー・ジョセフの小結節」と呼ばれている。

 

 婦人科系や胃腸がんの患者だと、血液やリンパ節を経由して転移するケースが報告されているが、その発生は多くなく、2013年に英国の医学誌に報告された論文によると、がんがへそに転移する可能性は推計1〜3%とごく珍しい。

 

 したがって、へそが出っ張ってきたからと言って必ずしもがんの転移であるとはかぎらず、ヘルニアなどほかの原因の可能性もあるため、必ず検査してほしい。

 

 一般的に「シスター・メアリー・ジョセフの小結節」の患者は、治療後の経過見通しが良くない(予後不良)とされるケースがほとんどだが、スペインの73歳の患者は、コブを小さくする手術を受け、抗がん剤の投与を続けたところ、今のところ「健康状態は悪くなく、合併症の心配もない」という。

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