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スマトラ島のオランウータン 体内から74発の銃弾 奇跡的に助かる 子は死亡(動画)

 

 インドネシアやマレーシアのボルネオ島の森で生きるオランウータンは、おだやかでのんびりしていて「森(ウータン)の人(オラン)」という名前がピッタリの生き物だ。

 

 今月10日、スマトラ島のアブラヤシ農園で、重傷を負ったオランウータンの母子が発見された。母親は少なくとも74回銃弾で撃たれており、視力を失っていた。生まれたばかりの赤ちゃんは、懸命の手当ての甲斐もなく、まもなく死亡した。

全身に74発の銃弾

 スマトラオランウータンの保護活動を行っている「オランウータン情報センター(OIC)」と「スマトラオランウータン保護プログラム(SCOOP)」の共同チームは今月10日、スマトラ島最北端に位置するアチェ州の農園から通報を受けて傷ついた母子の救助を行った。

 

 動物病院でレントゲン撮影を行ったとき、救助チームのメンバーは息を呑んだ。母親の左目には4発、右目には2発の銃弾が見つかっており、少なくとも74回の銃撃を受けたうえ、鋭利な刃物で切りつけられた傷跡があった。

 

 一緒にいた赤ん坊はひどい栄養失調とケガで助けられなかったが、母親はなんとか一命をとりとめた。

スマトラオランウータンは危機的状況に

 救助チームによると母親の体力は非常に衰弱しているため、1回目の手術では、折れた鎖骨の治療と、弾丸7個しか摘出できなかった。

 

「ホープ(希望)」と名付けられた母親は、現在も予断を許さない状況だが、差し出された果物やミルクを少しずつ口にするまで回復しつつあり、もう少し体力がつけば、2回目、3回目の手術を行う計画だ。

 

10日後には別の若いメスが

 オランウータンは、スマトラオランウータンとボルネオオランウータンに加えて、2016年にスマトラ島北部の海抜1500メートルの高地で見つかった新種のタパヌリオランウータンの3種類がいる。日本オランウータンリサーチセンターによると、森林伐採やアブラヤシプランテーションによる生息地の減少によって、スマトラ島では生息数が1万4600頭と激減しており、絶滅のおそれがある。

 

「ホープ」の発見から10日後の今月20日、プロジェクトチームは同じアチェ州の隣村で、衰弱している若いメス1匹を救助した。インドネシア語で「大地の母」を意味する「ペルティウィ」と名づけられたこのメスは、ひどい栄養失調で右手が麻痺して動かなくなっていたという。

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